過去の遺作置き場
少女は汗で滑る剣を握り直すと、キッと目の前の帝国兵達を睨む。
少女の周りには、すでに息絶えた帝国兵の骸が5,6体ほど転がっていた。
少女の周りには、すでに息絶えた帝国兵の骸が5,6体ほど転がっていた。
「よもや、こんな小娘一人にこれだけやられるとはな・・・・・」
帝国軍先発隊の隊長らしい男が、少女を見据えながら苦々しく呟いた。
いくら先発隊が新兵ばかりで構成してあるとは言え、こんな年端も行かぬ少女一人にここまでやられるとは思っていなかったのだろう。
「だが、それもここまでだ。いくら腕が立つとは言ってももう体力の限界だろう?」
「くっ・・・・・・・・!」
帝国兵の言う通りだった。
少女はもう戦い続けて2時間近く経っている。
十分に成長した大人ならともかく、未だ成長過程にある少女にはもうほとんど体力は残されていなかった。
「さぁ、これで終わりだ・・・・やれ」
隊長がそう命令すると、帝国兵の一人が少女の下に近づいた。
その帝国兵が少女に向かって、手に持った剣を振り上げる。
もう駄目・・・・・そう思って少女が目を瞑った瞬間・・・・・・!
「たぁーーーーーーーっ!!」
大きな掛け声と共に、上空から一騎の竜騎士が舞い降りてきた。
「何っ?!」
竜騎士は、手に持った槍を全身の力を込めて帝国兵に向かって突き刺す。
「ぐはぁっ!」
槍は一突きの元に帝国兵の心臓をえぐり絶命させる。
竜騎士は槍を引き抜くと、残りの帝国兵の方に向かって身構えた。
「し、真紅の女竜騎士だと・・・・まさか・・・・?!」
帝国兵の隊長は顔を引きつらせた。
「え・・・・・・?」
少女は目の前の竜に跨る女性騎士を見上げる。
竜と同じ真紅の鎧に身を包んだ女性騎士は、これもまた燃えるような真紅のセミロングの髪を風に靡かせていた。
綺麗・・・・・少女は素直にそう思った。
「貴様・・・・・アルトリア王国・聖竜騎士団の隊長、『紅竜のサイリア』か・・・・・・!」
「私の事を知っているなら話は早いわね・・・・」
そう言うと、サイリアは手に持った槍を構え直した。
「死にたくなければ兵を引きなさい・・・・・さもなくば命の保障はしないわよ」
「いくらアルトリア最強の騎士だったとは言え、たった一騎で何を言うか!
・・・・みな恐れるな! 所詮は多勢に無勢だ、数で一気に畳み掛けろ!!」
隊長の檄に帝国兵たちは「オーッ」と呼応し、一気にサイリアに攻撃を仕掛けてきた。
しかし、サイリアは手に持った槍を巧みに操ると、向かってくる帝国兵達を次々と薙ぎ払う。
サイリアの持つ槍ミスティックランスは、代々アルトリア王国・聖竜騎士団の隊長に受け継がれてきたもので持つ物に多大な力を与えてくれる神器の一つである。
いくら帝国兵の数が多いとは言え、新兵ばかりの兵士達ではミスティックランスを持つサイリアの相手は荷が重すぎた。
「くっ・・・・矢張り、そう簡単には倒せんか・・・・!」
帝国兵の隊長は、次々とやられる兵士達を見て歯軋りをする。
向かってくる帝国兵達を薙ぎ払いながら、サイリアは自分の後ろで倒れている少女に声をかけた。
「大丈夫?動ける?」
「え、えぇ・・・・何とか」
少女は剣を持ち直し、体を起こして立ち上がる。
サイリアが帝国兵の相手をしてくれていた間に、少しは体力が回復したようだ。
「そう、それじゃあもう少し辛抱して。しばらくすれば、味方の援軍が来るわ」
「援軍て・・・・・あなたは一体?」
「私の名前はサイリア・・・・・アルトリア王国騎士団の一人よ」
「アルトリアの・・・・!? それじゃあ・・・・・」
「そう言う事よ・・・・・あなた名前は?」
「ファリルです・・・・・」
「それじゃあ、ファリル。もうしばらくの間頑張りましょう」
「・・・・・・はいっ」
サイリアの言葉に頷くように言うと、ファリルは再び帝国兵に向かってその剣を身構えた。
帝国軍先発隊の隊長らしい男が、少女を見据えながら苦々しく呟いた。
いくら先発隊が新兵ばかりで構成してあるとは言え、こんな年端も行かぬ少女一人にここまでやられるとは思っていなかったのだろう。
「だが、それもここまでだ。いくら腕が立つとは言ってももう体力の限界だろう?」
「くっ・・・・・・・・!」
帝国兵の言う通りだった。
少女はもう戦い続けて2時間近く経っている。
十分に成長した大人ならともかく、未だ成長過程にある少女にはもうほとんど体力は残されていなかった。
「さぁ、これで終わりだ・・・・やれ」
隊長がそう命令すると、帝国兵の一人が少女の下に近づいた。
その帝国兵が少女に向かって、手に持った剣を振り上げる。
もう駄目・・・・・そう思って少女が目を瞑った瞬間・・・・・・!
「たぁーーーーーーーっ!!」
大きな掛け声と共に、上空から一騎の竜騎士が舞い降りてきた。
「何っ?!」
竜騎士は、手に持った槍を全身の力を込めて帝国兵に向かって突き刺す。
「ぐはぁっ!」
槍は一突きの元に帝国兵の心臓をえぐり絶命させる。
竜騎士は槍を引き抜くと、残りの帝国兵の方に向かって身構えた。
「し、真紅の女竜騎士だと・・・・まさか・・・・?!」
帝国兵の隊長は顔を引きつらせた。
「え・・・・・・?」
少女は目の前の竜に跨る女性騎士を見上げる。
竜と同じ真紅の鎧に身を包んだ女性騎士は、これもまた燃えるような真紅のセミロングの髪を風に靡かせていた。
綺麗・・・・・少女は素直にそう思った。
「貴様・・・・・アルトリア王国・聖竜騎士団の隊長、『紅竜のサイリア』か・・・・・・!」
「私の事を知っているなら話は早いわね・・・・」
そう言うと、サイリアは手に持った槍を構え直した。
「死にたくなければ兵を引きなさい・・・・・さもなくば命の保障はしないわよ」
「いくらアルトリア最強の騎士だったとは言え、たった一騎で何を言うか!
・・・・みな恐れるな! 所詮は多勢に無勢だ、数で一気に畳み掛けろ!!」
隊長の檄に帝国兵たちは「オーッ」と呼応し、一気にサイリアに攻撃を仕掛けてきた。
しかし、サイリアは手に持った槍を巧みに操ると、向かってくる帝国兵達を次々と薙ぎ払う。
サイリアの持つ槍ミスティックランスは、代々アルトリア王国・聖竜騎士団の隊長に受け継がれてきたもので持つ物に多大な力を与えてくれる神器の一つである。
いくら帝国兵の数が多いとは言え、新兵ばかりの兵士達ではミスティックランスを持つサイリアの相手は荷が重すぎた。
「くっ・・・・矢張り、そう簡単には倒せんか・・・・!」
帝国兵の隊長は、次々とやられる兵士達を見て歯軋りをする。
向かってくる帝国兵達を薙ぎ払いながら、サイリアは自分の後ろで倒れている少女に声をかけた。
「大丈夫?動ける?」
「え、えぇ・・・・何とか」
少女は剣を持ち直し、体を起こして立ち上がる。
サイリアが帝国兵の相手をしてくれていた間に、少しは体力が回復したようだ。
「そう、それじゃあもう少し辛抱して。しばらくすれば、味方の援軍が来るわ」
「援軍て・・・・・あなたは一体?」
「私の名前はサイリア・・・・・アルトリア王国騎士団の一人よ」
「アルトリアの・・・・!? それじゃあ・・・・・」
「そう言う事よ・・・・・あなた名前は?」
「ファリルです・・・・・」
「それじゃあ、ファリル。もうしばらくの間頑張りましょう」
「・・・・・・はいっ」
サイリアの言葉に頷くように言うと、ファリルは再び帝国兵に向かってその剣を身構えた。
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