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過去の遺作置き場
2017年06月29日 (Thu)
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2002年11月14日 (Thu)
8月15日 その4



「「うんしょっと・・・ふぅ」

北川君をベッドの上に寝かせて私は一息ついた。
公園からここまで、かなり距離があるって言うのに・・・正直私一人じゃきつかったわ・・・。
ベッドに寝かせた北川君の顔を見る。
こうやって見ると、ただ寝てるだけにしか見えないんだけど・・・。
でも、息はしてないし心臓の音は聞こえないし、どうみても・・・。
もしかして・・・あやめさんを追いかけて行っちゃったのかな。

・・・・・・。

とにかく、南にだけでも連絡しておきましょう。
そう思って立ち上がると、私は玄関の所にある電話機のところへと向かった。

Trrrrrr・・・。
Trrrrrr・・・。
Trrrrrr・・・。

ガチャ。

「はい、朝霧です」

数回のコールの後、受話器の向こうから南の声が聞こえてきた。

「・・・あ、南?」
「その声、相沢さん? どうかしたんですか?」

私の声を聞いて、いつも通りの口調で南が聞き返してきた。
私は思わず言葉を詰まらせてしまう。
電話したのは良いけど、どうやって説明しよう・・・。
南って・・・北川君の事好きになってたみたいだし・・・。

「あの、相沢さん?」
「・・・あ、ごめんね南」

いけないいけない。
ボケッとしてる場合じゃないよね。
とにかく、南にはこっちに来てもらいましょう。

「南、実は北川君がまた倒れたの」
「えっ、北川さんが!?」
「えぇ、それでいつもとはちょっと様子が違うから・・・今すぐ北川君の家まで来てくれる?」
「あ、はいっ。今すぐそっちに向かいます!」

ガチャ!

そう言うと南は、私の返事も聞かずに電話を切ってしまった。
・・・せめて最後までは話聞いてよね、ほんとにもう。

私は受話器を置くと、再び北川君の部屋へと戻った。
相変わらず、北川君は起きてくる気配はない。
本当なら病院にでも連れて行くところなんだけど・・・。
説明のしようがないものね・・・。
それにもしかしたら、すぐ戻ってくるかもしれないし。
とにかく、もうしばらく・・・。

ピンポ~ン。

突然響いてくる玄関のチャイムの音。
南が来たみたいね。
私は部屋を出ると、玄関へと向かった。



ガチャ。

「相沢さん、北川さんの容態は?!」

玄関の戸を開けると同時に、南がそう叫びながら入ってくる。
どうやらここまで走ってきたらしく、肩で大きく息をしながら。

「南、とにかく中に入って。北川君の部屋へ向かいながら説明するから」
「あ、は、はい」

南を落ち着かせながら、北川君の部屋へと連れて行く。
その途中で、私は事の顛末を南に話した。




「じゃあ・・・北川さんは、あやめさんを追いかけて行っちゃったって事ですか?」
「多分、その可能性が高いわね・・・」

北川君の傍に座り、私にそう聞いてくる南。
視線はベッドに眠る北川君の方を向いてる。
北川君は、今の所目覚める気配はない・・・・。

「相沢さん・・・もし、北川さんがこのまま目覚めなかったら・・・」
「南、大丈夫よ。北川君を・・・そしてあやめさんを信じましょ」

私は南にそう言い聞かせた。







北川君・・・早く戻ってきなさいよ。
あなたの事を心配してる人は、ここにも居るのよ・・・。






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