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過去の遺作置き場
2017年10月23日 (Mon)
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2002年09月15日 (Sun)
7月29日 その1



「名雪ーっ、まだ準備できないの!?」
「う~、もうちょっと待ってよ祐子ちゃん!」
「いつまでもグースカ寝てるからよ。先に外で待ってるから早く来なさいよ?!」
「分かったよ~」

ほんとにもう、1日目から先行き不安だわ。

今日から、佐祐理さんの別荘へ遊びに行く。
確か1週間ほどって言ってたわよね。
楽しみね~。

「お待たせ、祐子ちゃん」

っと、名雪が来たみたい。

「やっと来たわね。それじゃ、とりあえず駅まで行きましょ。そこで待ち合わせてるはずだから」
「うん!・・・・ってあれ? 真琴とあゆちゃんは?」
「先に行ったわよ。寝坊助の名雪なんて待ってられないって」
「う~、酷いよ二人とも~」
「はいはい、唸ってないで早く行きましょ」
「う~・・・・」

そう言ってもまだ唸っていた名雪だけど、私が歩き出すとすぐ後ろについてきた。
さて、とっとと駅へ向かいましょう。





しばらくして駅に辿り着いた。
え~と、真琴達はどこ行ったのかしら?

「あ、祐子ちゃん。あれじゃないかな?」

名雪が指差した方を見ると、確かに真琴とあゆの姿が見えた。
それに一緒に居るのは・・・・美汐かな?
真琴が嬉しそうにじゃれ付いてるし、多分間違いないわね。

「とりあえず、合流しようよ」
「そうね」

私達は、肩の荷物を背負いなおすと3人の元へと向かった。


「美汐!」
「あ! 二人とも遅いじゃない!!」
「ボク達、待ちくたびれちゃったよ~」
「あ、祐子さんに名雪さん。おはようございます」

私達の姿を見つけると同時に文句を言い出す二人。
別に私のせいじゃないんだから、言うなら名雪に言ってよね。
そんな二人とは正反対に、律儀にお辞儀して挨拶する美汐。
相変わらずね~。

「おはよ~、天野さん」
「おはよう、美汐。やっぱりあなたも呼ばれたのね」
「はい。先日倉田先輩から電話で・・・・」
「そうなんだ。後、他に誰が来るかわかる?」
「そうですね・・・・香里さんと栞さんも呼ばれているはずですが」

そっか。
佐祐理さん、皆に声かけてたのね。
それにしても、見事に女所帯ね~。
気楽で良いけど、虫除け用に一人ぐらいは男の子が居ても・・・・あ。

「そう言えば、北川君とかも呼んでるの?」
「さぁ、そこまでは・・・・」
「・・・・祐子ちゃん、北川君に来て欲しいの?」
「別に来て欲しいわけじゃないけど、虫除けぐらいにはなるでしょ?」
「まぁ、それはそうかも・・・・」

複雑な顔を浮かべて悩む名雪。
まぁ、気持ちは分かるけどね。
最近の北川君、更衣室に忍び込んだりいきなり飛び掛ってきたりやりたい放題なんだもの。
ほんとにもう・・・・いくら振りだったとは言え、最初の頃のあの態度はどこ行ったのかしらね。

「とにかく、居ないよりはマシって事よ」
「そうかもね・・・・」
「お前ら、いくらなんでもそれは酷くないか?」
「「え?」」

いきなり聞こえた声に後ろを振り返ると・・・・北川君が立っていた。

「今の全部聞いてた?」
「いや、居ないよりはマシってとこだけ」
「それだけで、よく自分のことだって分かったね?」
「まぁ、何となくな・・・・」

案外、自覚してるのかな?
・・・・だったら、あの奇行を止めなさいって言いたいけど。

・・・・あら?

「北川君の横に居るの、南・・・・じゃなくて、あやめさん?」
「はい。お久しぶりです祐子さん」

そう言って、ペコリと頭を下げるあやめさん。
てっきり北川君一人だと思ってたけど・・・・やっぱり一緒に来たのね。
それにしても、あやめさんが憑依するだけで同じ人間でもここまで雰囲気変わるものなのかしらね。
これを南に言うと怒るだろうけど。

「あやめさんは別に留守番してても良いって言ったんだけどな。朝霧がどうしても連れて行くって言うもんだから・・・・」
「そうなんだ。北川君、すっかり尻に敷かれてるのね」
「なっ?! お、おい相沢!俺と朝霧はそう言う関係じゃないぞ!!」
「冗談よ冗談」
「まったく・・・・」

そう言って、ぶすっと膨れる北川君。
何か、あやめさんと一緒に居ると雰囲気変わるわね。
あやめさんが、学校にも一緒に来てくれると毎回悩まされずに済むんだけどな。

・・・・無理か。

「あ、そう言えばな。他にもう一人連れが居るんだ」
「え、そうなの?」
「あぁ、朝霧の友達なんだが・・・・って、あれ?」

キョロキョロと辺りを見回す北川君。
どうしたのかしら。

「おかしいな、さっきまで一緒に居たのに・・・・あやめさん、つむぎちゃんがどこ行った知らない?」
「さぁ・・・・私(わたくし) も見ていませんけど・・・・」
「・・・・どこ行ったんだ?」

そう言って、二人同時に首を傾げた。
う~ん、私は探そうにも顔を知らないし・・・・。

ん?
あそこに居る女の子・・・・何か大きな荷物背負ってるけどもしかして・・・・。

「ねぇ、北川君。あそこで大荷物背負ってへばってるのがそうじゃないの?」
「え? あ、ほんとだ。ごめん、俺ちょっと手伝ってくる」

そう言うと、私達を置いて北川君はその女の子に駆け寄った。
ま、ここは男の子に任せておきましょう。

「すみません、北川さん」
「だから、荷物多すぎるんじゃないかって言ったんだけどな。まぁ、気にするな」

そんな事を話しながら、北川君荷物を支えながらこちらに歩いてくる。
・・・・やっぱり北川君、私達と態度が違いすぎるような気がする。

「っと、悪いな待たせて。紹介するよ、朝霧の友人で・・・・」
「あ、大嶋つむぎと言います。宜しくお願いしますね」

そう言って、大嶋さんは頭を下げた。
この子も結構礼儀正しいわね。

「宜しくね、大嶋さん」
「あ、私のことなら『つむぎ』で良いです。みんなそう呼んでますから」
「そう? じゃあ、つむぎちゃんて呼ばせてもらうわね」
「はい」

そう言って、つむぎちゃんはにっこりと笑った。
あ、そう言えば・・・・。

「北川君? つむぎちゃんはあやめさんの事は・・・・」
「知ってるよ。何でも朝霧がついポロっと喋っちゃったとかで」

南が?
珍しいわね・・・・南って、結構口が堅いのに。

「親友相手だから、口が滑ったんだろ・・・・それよりさ、これで皆集まったのか?」

そう言って、北川君が皆を見回した。
え~と、私と水瀬家シスターズと美汐と北川君ご一行・・・・。
まだ、香里と栞が来てないわね。
どうしたのかしら?

「まだ、香里達も来るらしいから・・・・もうしばらく待ちましょ」
「そか。それにしても、倉田先輩の別荘だろ? どうやって行くんだ?」
「さぁ、そこまでは・・・・」

やっぱり電車で行くのかしらね~、この人数だと。
でも、その前にどこにあるのかさえ知らないんだけど・・・・。
そんな事を考えていると、突然目の前に真っ黒の大きな車が止まった。
これって確かリムジン?
何でこんなものが・・・・。

ガチャ。

そう思っていると、突然ドアの一つが開く。
誰が出てくるのかと思ったら・・・・、

「あははー、皆さんお待たせしました」

佐祐理さんだった。
・・・・何となく納得。

「佐祐理さん、これで行くの?」
「そうですよー。これなら皆さん乗れますし」

確かにそうかも知れないけど・・・・一般人の私には想像出来なかったわ。
あっと・・・・そう言えば。

「佐祐理さん、済みませんけど香里たちがまだ・・・・」
「ほぇ? 香里さんと栞さんならすでに中に居ますよ」
「え?」

言われて、中を覗き込んでみると・・・・、

「あ、祐子さん! お久しぶりです~」
「こんにちは、祐子」

確かに二人が乗っていた。
い、いつの間に・・・・。
そして、その横には相変わらず無口な舞の姿も。
相変わらず喋らないわね~。


「それでは、皆さん乗り込んでください。出発しますよ~」
「あ、うん。皆、出発するから早く乗って!」

とりあえず、全員が思い思いの席に座る。
・・・・北川君の隣は、あやめさんとつむぎちゃんに占領されてるわね。
あやめさんはともかくとして・・・・つむぎちゃんも北川君の事が気になってるのかしら?
ま、別に良いんだけど。

「ねぇ、祐子。こっちに来たら?」

そう言って、私の手を引く香里。
じゃ、そうしよっかな。

「う~、祐子ちゃんは私の隣だおー」

今度は逆の手を名雪が引っ張る。
ちょ、ちょっと・・・・。

「ちょっと名雪、普段いつも一緒に居るんだから今日ぐらい譲りなさいよ」
「駄目だおー。祐子ちゃんは、私の隣にしか座ったら駄目なんだおー」

そう言って、お互いに私の手を引っ張る二人。
そ、そんなに引っ張ったら痛いってば・・・・。
何か、二人の母親に引っ張られる子供を思い出してしまった。
あ~、ここでお代官様が『手の離した方が真の母親じゃ!』とか言うのよねー・・・・。


「お、おい二人とも。そのぐらいで止めとかないと相沢が・・・・」
「「え?」」

北川君に言われて、私の顔を見上げる二人。
私は・・・・もうかなり気が遠くなっていた。

「わ、わ、祐子ちゃんしっかり!」
「ちょ、ちょっと祐子!」

私の体をゆすりながら、呼びかける二人の声が聞こえる。
あー・・・・今はもう駄目。
目的地に着いたら起こしてね・・・・。

私は薄れ行く意識のなかで、二人に向かってそう思った。




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