過去の遺作置き場
「ま、年に一度の学園祭ですから、生徒諸君の自主管理の尊重と言う意味合いからもですな、校長の私が今更口を差し挟むと言うのもなんなんでありまして・・・」
何故か巨大な猫と炬燵に入った校長は、長々と説教を続けている。
「・・・ま、しかしながらあの親鸞も申しておりますように、善人なおもて往生す。まして悪人においておや、人は皆只一人旅に出て振り返らず泣かないで歩くのであります・・・」
(うぐぅ・・・何でボク達まで怒られてるの・・・?)
(あうーっ、真琴、何も悪い事してないのにっ)
やかましい。
大体、お前らが北川をとっとと見つけてればこんな事にはならなかったんだ(人、それを八つ当たりと言う byロム)
「・・・人間誰しも悩み苦しみ過ち、そして成長し、桃太郎は満州に渡ってジンギスカンになるのであります。かの大芸を得て曰く、苦悩を経て大いなる快楽に至れ・・・」
(くー)
(こう言う時は名雪が羨ましいわね・・・)
溜息を吐く香里。
名雪はさっきからず~っと寝ている。
まぁ、時間的に無理も無いが。
「・・・と言うような訳でありまして、何はともあれ全員怪我一つせず何より無事これ名馬であります。くれぐれも安全第一で、そこんとこ宜しく・・・」
ズズーッ。
ようやく説教が終わり、一息ついた校長はお茶をすする。
ギギギー・・・・パラパラパラ・・・。
天井が嫌な音を立てて軋み、小さな破片がパラパラと落ちる。
「ネズミかな~?」
そう言って、天井を見上げる校長。
ネズミねぇ・・・・背中に砲身がついてて体重40tもある鉄ネズミなら居るけどな・・・。
とりあえず、これでようやく解放か・・・まったく、相変わらず話の長い校長だ・・・。
何故か巨大な猫と炬燵に入った校長は、長々と説教を続けている。
「・・・ま、しかしながらあの親鸞も申しておりますように、善人なおもて往生す。まして悪人においておや、人は皆只一人旅に出て振り返らず泣かないで歩くのであります・・・」
(うぐぅ・・・何でボク達まで怒られてるの・・・?)
(あうーっ、真琴、何も悪い事してないのにっ)
やかましい。
大体、お前らが北川をとっとと見つけてればこんな事にはならなかったんだ(人、それを八つ当たりと言う byロム)
「・・・人間誰しも悩み苦しみ過ち、そして成長し、桃太郎は満州に渡ってジンギスカンになるのであります。かの大芸を得て曰く、苦悩を経て大いなる快楽に至れ・・・」
(くー)
(こう言う時は名雪が羨ましいわね・・・)
溜息を吐く香里。
名雪はさっきからず~っと寝ている。
まぁ、時間的に無理も無いが。
「・・・と言うような訳でありまして、何はともあれ全員怪我一つせず何より無事これ名馬であります。くれぐれも安全第一で、そこんとこ宜しく・・・」
ズズーッ。
ようやく説教が終わり、一息ついた校長はお茶をすする。
ギギギー・・・・パラパラパラ・・・。
天井が嫌な音を立てて軋み、小さな破片がパラパラと落ちる。
「ネズミかな~?」
そう言って、天井を見上げる校長。
ネズミねぇ・・・・背中に砲身がついてて体重40tもある鉄ネズミなら居るけどな・・・。
とりあえず、これでようやく解放か・・・まったく、相変わらず話の長い校長だ・・・。
結局、今日は徹夜で作業する事になった為、あたし達はとりあえずお湯を調達する為に給湯室に向かっていた。
「あ~もう、校長ったら話が長いんだから・・・嫌になるわね」
「まったくだおー」
「名雪・・・寝ながら返事しないで」
「くー」
・・・もう良いわ。
間も無くしてあたし達は給湯室に着いた。
名雪も何故か目が覚めたみたい。
ガラッ。
扉を開けると、中に一人の女性の姿が。
「あれぇ?お母さん?」
「あらあら、あなた達まだ居たの?」
秋子さんだった。
どうやら、あたし達と同じでお湯を沸かしに来ていたようね。
「女子生徒は10時までに下校する決まりじゃなかったかしら?」
「それがちょっとした騒ぎがありまして」
あたしはヤカンに水を入れながら答える。
「あらあら、また北川君かしら?」
「・・・・言うまでも無く」
ほんとに・・・毎度の事とは言え、いい加減にしてほしいわよ。
今年の学園祭の準備って、ほとんど北川君のせいで遅れてるんだもの。
もう明日は学園祭の初日なのに・・・はぁ、今日も徹夜ね・・・。
「ところで、お母さんこそまだ帰らないの?」
名雪がお茶葉の用意をしながら尋ねる。
「それが・・・玄翁で自分の足を叩いてしまう子や足を床に釘付けしてしまう子が後を絶たないの。この様子だと今夜も泊まりかしら」
そう言いながら、『ふふふ』と笑う秋子さん。
でも心なしか疲れているようにも見える。
「秋子さんも大変ですね・・・」
水が一杯になったヤカンをコンロの上に乗せ、火をつける。
後はお湯が沸くのを待つだけね・・・。
それにしても・・・。
「はぁ・・・あたし、いい加減嫌になってきたわ」
誰に言うとでもなく、ぽつりと呟く。
「どうしたの、香里?」
「どうしたもこうしたも・・・」
あたしは大げさに名雪の方を振り向く。
「毎晩毎晩大騒ぎして・・・その挙句に徹夜で後始末。学園祭の準備はてんで進まないんだし、しかも年頃の娘が連日学校に泊り込みだなんて、電話で父さんカンカンよ?嫌にもなるわよ・・・」
「そうかなぁ?私は毎日がお祭りみたいで結構楽しいけど」
「一日のほとんどを寝ながら過ごしてる名雪と一緒にしないで」
「うー、酷いよ・・・香里」
「くすくす・・・」
「お母さんまで、笑わないでよ~」
「あらあら、ごめんなさい」
それでも秋子さんはまだくすくす笑っている。
もしかして、ツボにハマったのかしら?
「う~・・・」
名雪もいつまでも唸ってないの。
「名雪? 私はこれで戻るけど・・・火の後始末、くれぐれもお願いね」
そう言いながら、お湯の入ったポット手にした秋子さんは給湯室の出口に向かう。
「あ、うん。分かったよ、お母さん」
「それじゃ頑張ってね。残すところ今日一日・・・明日は学園祭の初日ですから」
そう言って、秋子さんは保健室へと戻っていった。
そう・・・もう泣いても笑っても明日は学園祭。
何が何でも、頑張って準備の方終わらせないとね・・・・。
あたしは、固く決意した。
「それじゃ名雪、今日も徹夜で頑張るわよ」
「くー」
「・・・・・・・・」
寝ていた。
名雪・・・せっかくやる気になってるのに、気を削がないでよ・・・・。
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