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過去の遺作置き場
2017年12月13日 (Wed)
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2002年06月19日 (Wed)
俺はその日、正気じゃなかった。
過度の睡眠不足と空腹でまともな思考ができなかったのだ。

・・・・・だから、何の躊躇も無く食べてしまったんだろうが。







あまりの空腹に耐え切れず、俺は うぐぅうぐぅ ぐぅぐぅ煩いお腹を押さえながらダイニングへと足を運んだ。

「あらあら。祐一さん、どうしたんですか?」

何故かこんな時間に秋子さんが台所に居た。
・・・何してたんだろう?



「すいません、腹が減って・・・秋子さん、何か食べるものあります?」

本当は眠気もひどいのだが、腹の減りすぎで眠れんのだ。
とりあえず、何か食べないと・・・。

「そうですね・・・・生憎、何も・・・・トーストぐらいならありますけど?」
「それで良いです・・・」

とりあえず、腹に入れば何でも良い。
俺は答えながら椅子に腰掛けた。

「ジャム塗っておきますね」

・・・いつもの俺だったらここで否定するとこなのだが。
空腹に耐え切れず一刻も早く食いたかったし、思考がはっきりしていなかったと言う事もあり、俺は何も言わずに秋子さんに任せていた。
今思えば、この時ジャムを塗るのを止めていたら・・・。


「はい、どうぞ」
「・・・いただきます」

俺は目の前に出されたトーストにかぶりつくと、ものの10秒で食い尽くした。


「ふぅ・・・ごちそうさまでした、秋子さん」
「あら、もう良いのですか?まだまだありますけど」
「いや、とりあえずもう寝たいんで・・・これぐらいで良いです」

そう言うと、俺は椅子から立ち上がった。

「そうですか・・・それでは、おやすみなさい」
「はい。秋子さんもそろそろ寝た方が良いですよ」

俺はそう言いながら、自分の部屋へと戻っていった。





「あぁ・・・・もう駄目だ・・・」

俺はそれだけ言うと、ベッドに倒れこんだ。
もう布団の中に潜るのも億劫だ・・・。
このまま寝てしまおう・・・・。



そして俺は、深い眠りへと落ちて行った・・・。
















朝。
カーテンの隙間から眩しい光が差し込む。
ふと時計を見ると、いつも起きる時間までまだあと10分ほどあった。
珍しく、時計より早く目が覚めたらしい。
二度寝しようかとも思ったが、何故か妙に目が冴えている・・・。
まぁ、たまには早起きしても良いか。
俺は体を起こすと思いっきり伸びをした。

「んっ・・・・・ん~~~っ」

・・・???
何か伸びをした時の声が、俺の声にしては随分と高かったような・・・。
そう、まるで女の子の声のような・・・・。
気のせい・・・・・だよな?

俺は首を捻りながらベッドから降りようと・・・・。
・・・・・・・・。



「・・・この目の前の物体は何だ?」

下を向いた俺の目の前には、大きな二つの膨らみがあった。
それは結構大きく、かなりの重さがありそうな・・・・。

「・・・・・・・」

俺は無言でその膨らみに手を伸ばし、そっと触ってみる。

「ん・・・・・」

その膨らみは弾力があり、それでいて柔らかく何とも言えない触り心地。
そしてその膨らみを触るたびに、自分の胸に感じる妙な感覚・・・。

「・・・・俺の・・・・胸?」

俺はガバッとベッドから跳ね起きると、鏡の前に立つ。
そこに居たのは男の俺ではなく、俺に良く似た顔をしたロングヘアの可愛い女の子だった。
先ほど自分の目に映った大きな膨らみは、この少し大きめの胸・・・。
そして下の方に目をやると、どう見ても男の証である膨らみが無かった。
い、一体どうなっとるんだ・・・・。

「い、いや落ち着け・・・俺は相沢祐一、高校3年生の男だ。いとこの名雪は女であっても俺が女なわけがない。例え今この家に居る者が俺を除いて皆女性だとしても、俺だけは男のはずだ。そうだこれは夢なんだ、そうに違いない」

そう言いながら自分を納得させようとする俺だが、頬を抓った時に感じた痛みが俺を現実に引き戻す。
俺は頭を抱えて唸った。




「やっほー、祐一起きてる・・・・・あう?!」

いきなりノックもせずにドアを開け、そう言いながら入ってきたのは真琴だ。
しかし、今の俺の姿を見て固まってしまったようだ。

「真琴?そんなところに突っ立って、祐一くんがどうかした・・・・う、うぐぅ?!」

後ろから顔を出してきたのはあゆだ。
真琴と同じように、俺の姿を見た途端固まってしまった。
しかし、いつも思うのだが何で『うぐぅ』なんだ?

「ふにゅ~・・・・二人とも祐一の部屋の前でどうしたんだおー・・・・・うにゅ?」

そして二人に続いて名雪まで現れた。
そして同じように固まる。
つーか、名雪・・・何で起きてる?(多少寝ぼけてはいるようだが)

「あらあら、みんなどうしたの?」

そして最後に現れたのは秋子さん。
あう・・・これで水瀬家(居候含む)の人間は全滅・・・。

「あらあら、祐一さん。随分と可愛くなったじゃないですか♪」

・・・しなかったようだ。
流石は秋子さん、これぐらいの事では動じない。
やはりこう言う時に頼りになるのは秋子さんしか居ない。


「それにしても、こんな効果が現れるなんて・・・ちょっと予想外でしたね」

ちょっと待てぃ。

「・・・・・これって、秋子さんの仕業なんですか?」
「ここじゃ何ですから、リビングに行きましょう。そこで説明してあげますね」

そう言いながら、秋子さんは真琴とあゆを抱きかかえると部屋を出て下へと降りて行った。
秋子さん・・・力持ちだったんですね。

俺はとりあえず、残された名雪を抱えると秋子さんの後を追ってリビングへと急いだ。












「それでどう言う事なんです?」

今、リビングのソファには俺、秋子さん、名雪、あゆ、真琴の5人が座っている。
と言っても、その内3名はまだ固まったままだが。

3人が元に戻るのを待ってられない俺は、たまらず秋子さんに問いかけた。

「とりあえず、これを見てください」

そう言いながら秋子さんが取り出したのは、紛れも無いあの謎ジャムだ。

「これ・・・・あのジャムですよね。これがどうかしたんですか?」
「ラベルをよく見てください」
「ラベルを・・・・?」

言われて、俺はその謎ジャムの瓶に張られたラベルを見る。
別に変わった所なんて何も・・・・あれ?
よく見ると・・・ラベルの名前の横に小さく、(改)と書かれている。
どう言う事?


「見ての通り、これはあのジャムを改良したものです」

改良って・・・・秋子さん(汗)

「より良いジャムを作ろうと改良してたんですけど・・・」

いや、秋子さん・・・あのジャムはどう改良しても良くならないと思いますが?
・・・・とは、口が裂けても言えないな。

「まだ改良途中で完成していなかったんですよ。それを間違えて昨日祐一さんが食べたトーストに塗ってしまったものですから・・・」

ちょっと待て。
それじゃあ、秋子さんは俺にあの謎ジャムを食わせるつもりだったのか?
やはり油断ならない人だ・・・・。
まぁ、それはとりあえず置いといて・・・。

「それじゃあ、その未完成の改良ジャムを食べたからこうなったと?」
「えぇ、恐らく・・・」
「・・・・・・・・」

一体、どう言うジャムなんだ。
そしてそんな物を作れる秋子さんは何者だ(汗)

しかし・・・・。

「このジャムを食べて性別が変わったのなら、もう一回食べれば元に戻れるんじゃ・・・?」
「いえ、それは無理です」

きっぱりと言い放つ秋子さん。

「何故です?」

「調べてみたんですけど、このジャムは食べた者の原子構造を一度全て破壊して作り直す事で性転換させています。ですから、もう一度食べてれば男には戻れますが、原子構造を作り直して男に戻るわけですから、元の祐一さんに戻る事は出来ません」

「え~と・・・・つまるところどう言う事ですか?(汗)」
「要するに、このジャムを食べても元に戻れないと言う事ですね」
「ぐはっ・・・・・何とか戻る方法はないんですか?」

いくらなんでも、一生このままなのは勘弁して欲しい。

「そうですね・・・何とかして元に戻すジャムを作ってみますから、それまでその姿で我慢してもらえますか?」
「どれくらいかかります?」
「さぁ・・・・ちょっと分からないですね。まぁ、気長に待っていてください」
「げ・・・・」

と言う事は、学校とかもしばらくこの格好で行かなきゃならんのか?
どうするんだよ・・・・(汗)




「そう決まったからには、学校の制服とか用意しないといけないわね」

真琴?

「それから、その言葉遣いもちゃんと女らしくするべきだよ」

あゆ?

「さっそく特訓だおー」

名雪?
お前ら、いつの間によみがえった?(約一名、まだ寝てるが)
て言うか、

「何でそんな事しなくちゃならんのだ?」
「当然でしょ。そんな可愛い(ちょっと悔しい・・・)顔して、男で通すつもり?」
「いや別に、サラシ巻いて髪切れば問題ないと・・・」
「うぐぅ、駄目だよ祐一くん!髪の毛は女の子の命なんだから!!」

・・・そうなのか?

「そうだよ、祐一・・・うぅん、女の子だから祐子ちゃんって呼んだ方が良いかな?」

何ぃっ?!

「あ、それ良い」
「決まりだね」
「それじゃ、今日はちょうど休日だし、みっちり特訓だおー」
「ちょ、ちょっと待てっ、秋子さんっ!」
「あらあら、頑張ってくださいね祐子さん♪」

秋子さんは笑顔で俺を見送った。
そ、そんな・・・・。









誰か助けてくれ~~~~~っ!!!!







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