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過去の遺作置き場
2017年09月26日 (Tue)
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2002年08月14日 (Wed)
6月30日



さてと、今日は香里とデートだ。
女同士でもデートと言うのかどうかは甚だ疑問だが・・・・まぁ、俺は元男だし良いだろう。

え~と、駅前で待ち合わせだったな・・・・香里はと・・・・。
あぁ、居た居た。

「香里~」
「あぁ、相沢さん」

手を振って呼びかけると香里も同じように手を振って応える。
俺は香里の居る場所に駆け寄った。

「早いわね、香里。まだ約束の時間の15分前よ?」
「家でじっとしてられなくて、早めに出てきちゃったのよ」
「早めにって・・・・何時?」
「え、えっと、その・・・・8時・・・・」

はぁ?・・・・8時?

「・・・・香里、早すぎ」
「う、煩いわね、良いじゃないの別に!」

真っ赤になってそう言う香里。
まぁ、遅れてくるよりは良いけどな。

それより、大分普通に話せるようになったな・・・・。
ちょっと前のようなぎこちなさもない。
そう、あの屋上でキスした時のようなぎこちなさは・・・・。
・・・・思い出したら、思わず顔が熱くなった。


「相沢さん、顔が赤いけどどうかしたの?」
「え?!」

我に返ると、いつの間にか香里の顔が目の前にあった。
どうやら俺の顔を覗き込んでいたらしいが・・・・前の屋上の事を思い出していた俺は、香里の顔が近くにあると言うだけで更に顔が熱くなる。

「何だか、ますます赤くなったみたいなんだけど・・・・」
「い、いや、ちょっと前の屋上での事を思い出してたもんだから・・・・」

思わず、そんな事を言ってしまった。
何言ってんだ、俺は!

「え、あ、そ、そう・・・・」

香里も思い出してしまったのか、一気に顔が真っ赤になる。
俺と香里はお互いに顔を赤くして俯き、その場に立ち尽くしてしまった。
しまった・・・・これでは、いつぞやの時と一緒じゃないか。
しかも、こんな往来のど真ん中で。

「と、とりあえず行きましょう。いつまでもここに居ても仕方ないし・・・・」
「そ、そうね」

とりあえず、そう言ってその場を離れる。
いつまでもここで赤くなっててもしょうがないし・・・・。
早く、あの屋上での事は忘れよう。
でないと、いつまで立っても香里とまともに話も出来ん。



「ところで、香里。どこへ行くの?」
「電話で言わなかったかしら?とりあえず、買い物よ」

あぁ、そう言えばそんな事言ってたような気がする。
どうも、忘れっぽくていかんな。

「それじゃ、商店街?」
「うぅん、今日は駅ビルのデパートへ行ってみようと思って・・・・」

駅ビルか・・・・そう言えば、まともに中には入った事ないような気がする。
ちょうど良い機会か。

「分かったわ、じゃあ行きましょうか」
「えぇ」

そして俺達は駅ビルへと向かった。
・・・・って、元来た道を戻ってるだけなんだが。
場をうやむやにする為に思わずあの場所を離れたけど、こんな事ならあのままあそこに居れば良かった・・・・。






「香里・・・・」
「何?」
「ちょっと買い過ぎじゃない?」

手に持った買い物袋を眺めながらそう呟く。
中身は買ったばかりの下着やら服やらで一杯だ。

「・・・・いつもこんなに買うの?」
「そ、そんな事ないわ。たまたまよ、たまたま」

焦りながら答えても説得力ないぞ、香里。
香里の一面を見た感じだな。



「あら?」

ふと香里が足を止めて、声を上げた。
何だ、何か見つけたのか?

「どうしたの、香里?」
「あれ・・・・うちの学校の制服じゃない?」

そう言って香里の指差した方を見る。
そこにはうちの学校の制服を着た男の子(多分1年生ぐらいだろう)が、数人の頭の悪そうな男達に囲まれていた。
ははぁ、これはカツアゲと言うやつだな?
よく見ると、男の子の方は不安そうな顔で周りを取り囲む男達を見ている。
ふぅむ、これはほっとけないか・・・・。

「香里?」
「言われなくても分かってるわ」

そう言って、懐のメリケンサックを取り出す香里。
・・・・いつも持ち歩いてんのか。
まぁ、今回はその方が助かるが。

「予備ある?」
「あるわよ、はい」
「ありがと」

予備のメリケンサックを香里から受け取ると、右手にはめる。

「とりあえず、まずは人気のないところに誘い込みましょう。その方がやりやすいわ」
「それもそうね」

そう言って、俺達は頷きあった。



「おい、兄ちゃん。別に俺達はカツアゲしてるわけじゃないんだぜ?」
「そうそう、募金だと思えば良いんだよ」
「えっと・・・・で、でも・・・・」
「あぁ、もう!はっきりしねぇ奴だな、大人しく出さねぇんなら力尽くで・・・・」
「お待ちなさいな、そこのお兄さん達」
「え?」

俺と香里の声に反応してこっちを振り向く男共。
そんな男達の視線引くように、自分の胸を腕の上に乗せて挑発するようなポーズをとる。

「そんなひ弱な男の子からカツアゲなんてしてないで、私達遊ばな~い?」

・・・・自分で言ってて吐き気がしてくるぞ。
隣を見ると、香里も笑顔を作っては居るもの、こめかみには青筋が浮いている。
と、とにかく今だけの我慢だ・・・・。

「お、おぉ~。姉ちゃん達、本気か?」
「そうよ~・・・・だから、あっちの人気のないところ行きましょ?」
「「「「おぉぉぉ、行かいでか!!」」」」

そう言って、俺達についてくるバカ達。
俺は香里と顔を見合わせると、そっとウィンクして男達を路地裏に連れ込んだ。







バキッ!ドカァッ!!

「グヘェッ!!」

俺の拳が顔面と鳩尾に決まると、最後の一人だったそいつはその場に倒れこんだ。
さてと、香里の方は・・・・。
後ろを振り向くと、香里もちょうど終わった所だった。

「手応えないわねぇ・・・・これだったら、クラスの男子の方がまだマシよ」

倒れた男達を見下ろしながら、そう言い放つ香里。
俺が借りていたメリケンサックを投げて返すと、それを受け取った香里は自分のつけていた物を外して一緒に懐にしまいこんだ。

「さ、それじゃデートの続きと行きましょうか♪」
「そ、そうね・・・・」

・・・・キャラクタ変わってるぞ、香里。
今の戦いで、気分的に盛り上がってるんだろうか?


「あ、あの~・・・・」
「「え?」」

突然誰かに呼びかけられて振り向くと、そこにはさっきのうちの学校の制服を着た男の子が立っていた。

「これ・・・・あなた方が・・・・?」

そう言って、倒れてる奴等を見回す男の子。
信じられないと言った顔をしている。

「ま、まぁ・・・・ね」

何となく恥ずかしくなって、あらぬ方向を見ながら鼻の頭をかく。
香里の方も似たようなもんだ。

「すいません、助けてもらって・・・・ありがとうございます」
「気にしなくて良いわ。それじゃ、今度からは気をつけなさいよ」
「あ、はい・・・・」

俺がそう言ってウィンクすると、その男の子は赤くなって俯いた。
・・・・何か、可愛いな・・・・。
って、俺は何考えてんだっ?!

「も、もう、あんな奴等に絡まれないように気をつけなさいね。それじゃ香里、行きましょ!」
「え?ちょ、ちょっと・・・・」

何か言うとする香里を無視して、俺は香里の手を引いてその場から逃げるように走り出す。
今、自分が考えたことを振り払いながら・・・・。

「あ・・・・!」

後ろで、男の子が何か言ってるが俺は聞こえない振りをして、そのままその場を後にした。





それから後は、香里と二人で映画見たり散歩したりして楽しんだ。
そして、俺達は公園へやってきていた・・・・。


「もうすっかり夕方ね」
「・・・・そうね」

西側の赤く染まった空を眺めながらそう呟く。
夕方の公園には他に人の気配は感じられなかった。
今、ここに居るのは俺と香里の二人だけ・・・・。

「相沢さん、今日は付き合ってくれてありがと」
「あ、別に気にしなくて良いわよ。これぐらいだったらいつでもまた付き合うから・・・・」
「・・・・ありがと」

こっちは見ずに夕焼けの空を眺めながら、香里はそう一言呟いた。

「・・・・もうそろそろ帰りましょう。いい加減に遅くなるわよ?」
「そうね・・・・」
「それじゃ、途中まで一緒に・・・・!?」

俺の言葉は最後まで続かず、そこで途切れた。
何故なら・・・・振り向いた香里が、突然自分の口で俺の口を塞いだからだ。
俺は思わず頭が真っ白になってしまい、目を開けたまま固まる。


10秒ほどそうしていただろうか?
ふっと、香里の方から唇を離す。

「か、香里・・・・いきなり何を・・・・」
「何となくね・・・・相沢さんの顔を見たら思わず、かな」
「何となくって・・・・」
「あんまり気にしないで。あたしの確認の為だから」

確認?
何を言ってるんだ、香里は?

「さ、それじゃ帰りましょ。遅くなるわよ」
「ちょ、ちょっと香里!」

呆然とする俺を置いて帰ろうとする香里を追いかける。

・・・・まぁ、良いか
俺も別に悪い気はしないしな。



「ところで、相沢さん」
「何?」
「来週の木曜日から期末テストだけど、勉強してるの?」
「え?」
「だから期末テスト」




わ、忘れてた・・・・。




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