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過去の遺作置き場
2017年09月26日 (Tue)
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2002年08月15日 (Thu)
「こんにちは~」
「あら、名雪」
「何だ、来てくれたのか?」

病室のドアを開けて、挨拶しながら入ってきた従妹にそう声をかける。
手には、お見舞い品なのか籠に入れた果物を持っていた。

「2人目が生まれたって聞いたから、急に見たくなって・・・・あ、この子がそう?」

香里の手に抱かれた赤ん坊を見つけると、名雪はとてとてと駆け寄ってきた。
赤ん坊の前に自分の指を差し出し、じゃれさせる。

「可愛いね~・・・・あ、名前は何てしたの?」
「名前か? この子は、俺の名前から漢字を一字とって『祐梨(ゆうり)』って名付けたんだ」
「へ~、可愛い名前だね。宜しくね~、祐梨ちゃん」

嬉しそうに名雪は祐梨とじゃれ合う。
そんな様子を、香里が少し苦笑しながらも眺めていた。
・・・・何かほのぼのしてしまうな。


「そう言えば名雪、あなた仕事どうしたの?」

思い出したように香里が名雪に質問した。
そう言えば・・・・まだこの時間だと、こいつは仕事中のはずだな。
ちなみに、名雪は教師をやっている。
しかも俺達の母校の。
ついでに言うと、何故か俺の知り合いは皆ほとんどが教師になっていて、その全てがあの母校に赴任している。
普通なら考えられないことだが、何でも秋子さんが仕組んだらしい。
最早、納得するしかなかった。

「大丈夫だよ。授業は自習にしてきたから」
「おいおい、お前体育教師だろうが。体育自習にして良いのか?」
「良いんだよ。いつもの事・・・・」
「・・・・何だって?」
「あ、あわわ!な、何でもないよ」

そう言って、慌ててごまかそうとする名雪。
今、『いつもの事』とか言わなかったか?

「・・・・校長に報告しておく」
「わ、わ!駄目だよ、祐一!!」
「じゃあ、菜織にイチゴサンデー1つ奢る事で手を打ってやろう」
「う~・・・・祐一、極悪だよ~」

がっくり項垂れる名雪。
お前が悪いんだお前が。
見ると、さすがの香里も呆れていた。
まぁ、いつもの事なんだが。


「さてと、それじゃ俺はそろそろ帰るわ。菜織を迎えに行かないといけないしな」
「あ、そうね。それじゃ」
「あぁ、また明日来るよ。菜織を連れて」

そう言って、俺は部屋を出る前に香里とキスを交わす。

「う~・・・・らぶらぶなのは良いけど、あんまり見せ付けないでよ」

そんな俺達を見て、名雪が恨みがましそうな声でそう言った。

「ととっ、そう言えば名雪が居たんだったな、悪りぃ」
「そんなに羨ましいなら、名雪も早く相手見つけなさいよ」
「う~、そんな事言っても・・・・」
「はは、まぁ頑張れ。それじゃ俺は行くから」
「あ、うん。またね、祐一」
「おぅ」

そして俺は病室を後にした。






香里は、もうすぐ退院出来るらしい。
それまでに色々と用意しておかなくちゃな。

そんな事を考えながら、俺は菜織の待つ幼稚園へと向けて車を走らせた。




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