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過去の遺作置き場
2018年07月18日 (Wed)
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2002年08月27日 (Tue)
7月12日



4時限目の授業が終わってお昼休み。
今日のお昼はどうしよっかなぁ。

「あ、祐子? 今日は妹がお弁当持ってきてるから屋上行きましょ」
「あ、香里」

そう言えば・・・・妹が一人居るって言ってたわね。
確か、栞ちゃんだったかしら?
どんな子なんだろ。

「栞ちゃんが来るんなら、天野さんも来るって事だよね、香里」
「えぇ、多分ね」

天野さん・・・・確か、真琴が名前言ってたわね。
何か真琴の話では、おばさんくさい女の子だって言ってたけど・・・・。
こっちも気になるわね~。

「それじゃ、先に行って待ってましょう」
「うん、そうだね~」
「あ、待って二人とも!」

先にさっさと行こうとする二人を追って、私も教室を後にした。
それにしても・・・・今日、北川君どうしたのかしら?
急に休みだなんて・・・・。
明日にでも様子見に行ってみよっと。







う~ん・・・・やっぱり何度来ても良い場所よね、この屋上って。
それにお昼休みなのに他に誰もいないからゆっくり出来るし。
・・・・もしかして、本当は屋上出たら駄目なのかしら?
う~ん・・・・まぁ、良っか。
気にしないでおきましょ。

「天野さん!ほらもっと急いでください!」
「し、栞さん・・・・早い・・・・」

今、階段の方から声が・・・・もしかして今の声が?

「来たみたいね」

その声を聞いて香里がそう言った。
間違いないみたいね。

バタン!

勢いよく屋上の扉が開かれると、一人の少女が元気一杯に姿を現した。

「美坂栞、ただ今参上! お弁当持って来ました!」

そう言って笑う栞ちゃんは息切れ一つしてない。
ここまで全力疾走で階段登って来たんだろうと思うけど。
確か香里が、元病弱少女って言ってたような・・・・?
・・・・ど、どこが?

「・・・・祐子、あんまり深く考えないで」

私の気持ちを察してくれたのかしら? 香里がそう言った。
・・・・あんまり考えない方が良いって事ね。

「はぁ・・はぁ・・・・・し、栞さん・・・・お願いですから・・3階を一気に駆け上がるのは・・・・止めてください・・・・」

栞ちゃんの後ろから現れて、息も絶え絶えに言う女の子。
何か高校生らしくないわね・・・・この子が天野さんなのかしら?
何となく真琴の言ってた『おばさんくさい』の意味が理解できたわ。

「そんな・・・酷なことは・・・ないでしょう・・・」
「あら?・・・・天野さん、私の心が読めるの?」
「全部声に出てたわよ、祐子」
「そ、そう」

いつの間に声に出してたんだろ・・・・。





一応話は聞いてあったとは言え、記憶を失っててからは二人とは初対面。
とりあえず、軽く自己紹介。
本人達の希望で、私はぞれぞれ『栞』『美汐』って呼ぶ事にした。
もちろん、二人が私を呼ぶときも私の希望で名前。
さすがに、『さん付け』だけどね。


「さ、自己紹介も終わりましたし食べてください。祐子さんの為に、腕によりをかけて一杯作ってきたんですよ!」

そう言って、栞は懐から大きな重箱を取り出し・・・・って、どこに入ってたのよ、あんな大きな重箱。
四次元ポケットでもない限り、無理なような気がするんだけど。

「栞ったら、またこんなに沢山作って・・・・そんなに家の家計を火の車にしたいの?」
「そんな事言うお姉ちゃん嫌いです! 私は少しでも祐子さんの記憶を取り戻す為の足しになればと思って、愛を込めて作ってきたんです!」

・・・・本当にお弁当沢山食べて記憶が戻るなら、喜んで食べるけど。
どう考えてもそんな訳ないでしょう。
それに、今香里またって言わなかった?
そんなにしょっちゅう、こんな大量のお弁当作ってるわけ?
とんでもないわね・・・・。


「祐子さん、私も作ってきたのでどうぞ」

そう言って美汐も小さいながらも一つのお弁当箱を出してくる。
う~ん、こっちは普通で良いわね~。
それに、和風な品揃えも良い感じだわ。

「へぇ~、美汐って良いお嫁さんになれるわよ」
「え・・・・あ、ありがとうございます・・・・」

美汐が照れて赤くなりながらも、何故か戸惑った表情を見せた。
何、どうしたの?

「あ、すみません・・・・祐子さんて、こう言う時はいつも『おばさんくさい』って言ってくるものですから・・・・」
「そう言えば、そうだよね~」
「やっぱり、記憶喪失のせいかしら?」

・・・・私、いつもそんな事言ってたの?
女の子相手に、ちょっとデリカシーが足りないような気がするわね・・・・。


「えぅ~、栞の事ほったらかしにしないでください~」
「あ、ごめんごめん、栞」

美汐に気を取られてて、すっかり忘れてたわ。

「む~、それじゃあ祐子さん、これ全部食べてくれますよね?」
「え?!これ・・・・全部?」
「いや・・・・なんですか?」

潤んだ目で上目遣いに私を見る栞。
そ、そんな目で見られたら断れないじゃない・・・・。

「わ、分かったわ、食べるわよ・・・・」

私がそう言うと、栞は途端に顔を輝かせて、

「だから祐子さん好きです!」

そう言いながら、私に抱きついた。
ねぇ・・・・私って、本当にそっちの趣味だったのかしら?
誰か教えて・・・・。








う~・・・・・。
私は結局、栞の重箱を食べつくした。
お、お腹がもたれる・・・・。
太ったらどうしてくれるのよ。
もしそうなったら・・・・栞、呪ってあげるから覚悟してなさいよ・・・・。



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