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過去の遺作置き場
2018年12月14日 (Fri)
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2002年07月11日 (Thu)
俺たちは香里の後に着いて校舎の中に入った。
夜の暗くて人気のない校舎は、どこまでも不気味だ。
今にも何か出てきそうな・・・・そんな感じだ。

「それじゃ、栞と天野さんは1階を」
「うん、分かったよ、お姉ちゃん」
「分かりました」

1階で二人と別れ、そのまま2階へ昇る。

「2階は、倉田先輩と川澄先輩にお願いします」
「あはは~、任せてください~」
「・・・・・・・・」

・・・・舞、ちっとは喋れ。

まあ良い、次は3階だ。

「3階はあゆちゃんと真琴ちゃんで」
「うぐぅ・・・・ボクちょっと怖いけど頑張るよ」
「あうーっ。あゆあゆ、とっとと行くわよ!」

ボクはあゆあゆじゃないよ~とか言いながら、あゆは真琴の後を追って行った。

さて4階だな。

「それじゃ、北川君。4階お願いね」
「何で俺だけ一人なんだ、ブツブツ・・・・」

文句を言いながらも北川は暗闇の中に消えて行った。

「さて、それじゃあたし達は屋上へ行くわよ」
「分かったわ」

俺は香里の後に続く。

・・・・・・・・?
何か変だな・・・・。
何か違和感を感じる。
一体何が・・・・・はっ?!

「ちょっと香里!」
「え?な、何よ、いきなり大声出して・・・・」
「うちの学校って・・・・いつから4階建てになったの・・・・?」
「え・・・・あ?!」

香里も気付いたようだ。
うちの学校は3階建てだ。
4階なんてあるはずがない。

「大変だわ・・・・急いで戻らないと・・・・」

そう言って階段を下りようとする香里だが・・・・。

「・・・・もう手遅れよ」
「え?」

そう言った俺の目の前・・・・つまり誰も居るはずのない、屋上の方から誰か下りてきたのだ。
誰かと思って目を凝らすと・・・・。

「あれ?相沢に美坂・・・・お前ら上に行ったんじゃないのか?何で下から来るんだ?」

北川だった。

「「・・・・・・・・・」」

どうやら、完全にループにハマったらしいな・・・・。







外・・・・車の中で秋子さんが校舎の方を眺めている。

「・・・・4階建ての校舎ですか・・・・混乱してドタバタを繰り広げている様が目に浮かびますね・・・・」

フゥと秋子さんは溜息を吐く。
それと同時に後ろで寝ていた名雪が目を覚ました。

「あれ?・・・・お母さん、どうかしたの・・・・?」
「あら、名雪。目が覚めたのね?」
「うん、何か突然に・・・・」
「そう・・・・撤退の準備をしておきましょう」
「え、何で?」
「・・・・恐らく、学校そのものを調べても無駄よ」

そう言うと、秋子さんは車を発進させた。








現在、俺たちは北川を除いた全員が集まっている。
結局あのままずっと昇り続けたが屋上に辿り着く事は出来ず、下の階で分かれた皆と合流しただけだった。
ちなみに北川は合流してすぐ、また別行動を取ってしまったので今は居ない。


「さて、どうしようか」

俺は皆を見回す。

「・・・・とりあえず、戻りましょう。このまま校舎の中をうろついても何もないと思うわ」

香里が俯きながらそう言った。

「そうね・・・・でも、どうやって?」

最後に栞達と合流してから、ずっとこの階を歩いているが、生徒玄関所か階段さえ一向に見つからないのだ。
このままでは退却しようにも、校舎から出る事すらできない。

「とりあえず、窓から出るしかないでしょ」
「窓からって・・・・ここが本当に1階だって言う保障はないのよ?」

確かにこの階で1階で別れたはずの栞達と合流したが、ここまでループしてるとここが本当に1階かどうかは怪しいもんだ。

「・・・・それでも、他に方法が無いならそれしか無いですよ」
「あはは~、そうですね、佐祐理も賛成ですよ~」

どうやら、他の皆も聞くまでもないようだ。
だったらもう迷う必要は無いな。



俺たちは手近な窓を開けると、そこから下を覗き込んだ。

・・・・・・・・・。

そこは一面の星空だった。

「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・うぐぅ・・・・何で下に星空があるの?」

まったくだ。
いつの間にか学校は空高く飛び上がってしまったのか?

「おーい」

何て馬鹿な事を考えてたら、何故か頭の上の方から北川の声が聞こえてくる。

「そんな所で、何器用な真似してるんだ~?」

器用な真似・・・・?
不審に思って上を見上げると、天井側に張り付いて窓から顔を出している北川と、その先には地面が・・・・。
あ、な~んだ、俺たちが逆さまだったのかって・・・・。

「な、逆さまぁっ?!」

急に重力が反転し、落ちる俺たち。
ついでに途中に居た北川も巻き込んで落ちていく。

「・・・・これって、死ぬかしら?」

何故か冷静な香里。
って、死んでたまるかいっ。

「北川!クッションになれっ」
「へ?ってどぐわえっ?!」

すかさず、北川を下に投げるとその上に着地する俺たち。
どうやら北川のおかげで、怪我をせずにすんだようだ。

「・・・・・・・・・」

・・・・北川は虫の息だが。
まぁ、大丈夫だろう・・・・北川だし。

ちょうどそこへ秋子さんの運転する車がやってきた。

「祐子さん。皆もとりあえず乗ってください。ここを離れましょう」
「分かりました」

俺たちは全員、車に乗り込む。
北川は・・・・まぁ、連れて行ってやるか。
肩に担ぐと、車のトランクに押し込んだ。
・・・・しょうがないだろう、北川の血でシートを汚したくないからな。

俺たち全員が乗ったのを確認すると、秋子さんは車を発進させた。





「さて、どうしましょうか。このまま車を走らせても昨夜の二の舞でしょうし」

秋子さんが呟く。
確かに・・・・このまま走らせても、街からは出られないだろうな。
どうするか・・・・。

「佐祐理に任せてください~」

そう言って佐祐理さんが声を上げた。

「佐祐理さん、何か良い手でもあるんですか?」
「はい♪」

自信満々に頷く佐祐理さん。

「え~と・・・・秋子さん、商店街通りのマッハ軒へ行ってもらえますか~?」
「あら、お腹でも空いたの?」
「いえ、違いますよ~。立ち食いそば屋マッハ軒、その実態は倉田家パニックセンターで、あそこには緊急脱出用のハリヤーがあるんですよ~」

そうか、陸が駄目なら・・・・。

「・・・・空路と言う手がありましたね。それでは飛ばしますからしっかり捕まっていてください」

その言葉と同時に、車は猛スピードで加速した。


・・・・秋子さん、急ぐのは分かりますけどもう少し安全運転してください・・・・。



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