過去の遺作置き場
今日は七夕。
水瀬家にみんな集まって、七夕パーティをする事になっている。
それで、俺は今短冊を飾る笹を買いに来てるわけなんだが・・・・。
確か、秋子さんがもうすでに注文してあるとか言ってたな。
「はい、どうぞ。重いから気をつけてね」
「は、はぁ・・・・・」
そう言って渡されたのは・・・・全長5mはありそうな巨大な笹の木。
「秋子さん・・・・これを俺一人で持って帰れと・・・・?」
俺は思わず見上げてしまった。
こんなでかいの、家に入るのかな~なんて事を思いながら。
水瀬家にみんな集まって、七夕パーティをする事になっている。
それで、俺は今短冊を飾る笹を買いに来てるわけなんだが・・・・。
確か、秋子さんがもうすでに注文してあるとか言ってたな。
「はい、どうぞ。重いから気をつけてね」
「は、はぁ・・・・・」
そう言って渡されたのは・・・・全長5mはありそうな巨大な笹の木。
「秋子さん・・・・これを俺一人で持って帰れと・・・・?」
俺は思わず見上げてしまった。
こんなでかいの、家に入るのかな~なんて事を思いながら。
「ひぃ・・・・ふぅ・・・・お、重い・・・・」
俺は全長5mの笹を担いで家まで帰ってきた。
もうすでに体力は限界を超えている。
これって・・・・配達してくれないのか・・・・?
「あら、お帰りなさい。ご苦労様です、祐一さん」
「あ、秋子さん・・・・な、何でこんなでかいのを・・・・」
「だって、今日は沢山お友達が来ますし・・・・やっぱり大きい方が良いかと思ったんですけど」
・・・・大きすぎですよ、秋子さん。
持って帰る、俺の身にもなってください・・・・。
「それより、早く中に入ってください。もう皆集まってますよ?」
「・・・・分かりました」
俺はもうひと踏ん張りすると、笹を持ち上げた。
リビングは、すでに女性陣によって飾り付けられている。
俺は持ってきた笹を窓際の所に置いた。
「ふぇ~・・・・随分と大きな笹の木ですねぇ」
見上げながら、佐祐理さんがそう呟く。
そりゃあそうだろう。
こんな大きな笹の木、俺だって見たことない。
「さ。笹も届いた事だし、短冊でも書きましょ」
そう言ったのは香里だ。
みんなに願い事を書くための短冊を配っている。
「あうー、真琴は何を書こうかなー」
「うぐぅ・・・・やっぱりたい焼きが・・・・」
「イチゴサンデ~、イチゴサンデーを死ぬほど食べたいんだおー。あとねこー」
「やっぱりアイス・・・・あ、でもでもこの胸も何とかしたいし・・・」
「・・・・牛丼・・・・」
「あはは~。舞ったら牛丼だったらいつも祐一さんに奢ってもらってるじゃないですか~」
「・・・・相沢さんが『おばさんくさい』なんて言わなくなりますように・・・・」
・・・・・・・・・。
なんか、皆好き勝手書いてるな・・・・。
まぁ、大体予想できた願い事ばっかだけど・・・・。
「あらあら、みんなも書いてるのね」
そう言ってやってきたのは秋子さん。
手にはすでに記入済みの短冊を持っている。
「秋子さんは何て書いたんですか?」
「うふふ、企業秘密です」
教えてくれなかった。
そう言われると気になるな・・・・。
よし、ここは自分の短冊をつけるふりをして・・・・。
俺は秋子さんの隣へ立つと、そこに短冊を結びながら秋子さんの方を覗き見る。
どれどれ・・・・。
『ジャム』
短冊には大きな文字でそう一言書いてあった。
・・・・・・。
秋子さん・・・・勘弁してください・・・・。
「おい、相沢。お前なんて書いたんだ?」
うん?
何だ北川か・・・・。
「別に・・・・そう言うお前こそなんて書いたんだよ?」
「俺か?俺はもちろんこれだ!」
そう言って、北川の見せた短冊には・・・・。
『美坂香里』
と書かれていた。
「北川・・・・・」
「何だ、何か文句でもあるのか!?」
「俺は別にないが・・・・お前の後ろに居る御仁はあるみたいだぞ」
「え?」
そう言って北川が振り向いた先には、香里が腕組みをして仁王立ちしていた。
「北川君・・・・ちょ~っと話があるんだけど?」
「え、いや、その、俺は遠慮したいな~・・・なんて・・・」
「問答無用」
そう言って、北川の首根っこを掴みずるずると引きずっていく香里。
「いやー!相沢、助けてくれーー!!」
北川・・・・・俺には何も出来ん。
許せ。
「ねー、祐一は何て書いたのー?」
そう言って、真琴が俺の短冊を引っ手繰る。
あ、こら!
「おい、真琴返せ!あ、こら読むなってば・・・!」
『この状況からの脱出』
「これ、どう言う意味・・・・?」
「祐一・・・・ゆっくりと説明してほしいんだけど?」
ジリジリと迫る女性陣。
え、え~と・・・・これはだなぁ。
「「「「「「「「「だから、何(です)?」」」」」」」」」
ごめんなさい・・・・・・。
その日、俺はパーティの費用を全て奢らされることになった。
とほほ・・・・。
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