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過去の遺作置き場
2018年11月18日 (Sun)
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2002年07月18日 (Thu)
「さ、もう出てきても良いですよ」

お、ようやく出番か・・・・。
俺は秋子さんに呼ばれると、暗闇から月明かりの下に姿を現した。
目の前には俺が・・・・いや、俺に化けた何者かが驚いた顔でこちらを見ていた。

「真打登場・・・・ってね」
「なっ、ななな・・・・これは一体・・・・?!」

明らかに狼狽する、俺2号。
ま、無理も無いが・・・・。


「私達を罠にはめる気だったんでしょうけど・・・・策士策に溺れたわね」

香里がそんな事を言いながら、俺2号を見つめている。

「まぁ、それでも賭けでしたけど・・・・もし、お昼に待ち合わせした時に来たのが、祐子さんでは無くてあなただったら、逆に私達が策にはまっていたわけですし」
「え?!それじゃ・・・・」
「えぇ、予め私と香里さんで別々に祐子さんに伝言したんです。それぞれ昼と夜に屋上へ来てくださいと・・・・」

その時、すでにこいつは俺に化けてたって事か・・・・。
俺は香里からの伝言しか聞いてないからな。
もしそれが逆になって、香里の伝言を聞いたのがこいつの方だったら・・・・今頃、二人は舞達と同じように石像になってたかもな。


「そう言う事だから・・・・そろそろ正体見せても良いんじゃない?」
「ふぅ・・・・大したものだわ・・・・」

俺2号は溜息を吐いたかと思うと、くるっと宙返りした。
それと同時に光に包まれたかと思うと、その中から一人の少女が姿を現した。

・・・・・!
この少女・・・・見覚えがある・・・・。
確か夢で八つ又の龍と一緒に居た・・・・。



「私の名前は刻美・・・・時之龍を操る力と夢見の力を持つ巫女・・・・」

その光の中から現れた少女はそう名乗った。

「刻美さん・・・・とおっしゃったかしら? あなたはどうしてこんな事をするんです?」
「こんな事って?」
「とぼけないで! この夢の世界の事よ!!」
「あぁ、その事ね・・・・」

秋子さんと香里が、刻美と名乗った少女(とりあえず刻美ちゃんと呼ぶ事にしよう)に詰め寄る。
俺は・・・・特にする事がないな、とりあえず成り行きを見守ろう。


「私は・・・・ただ、あのあゆちゃんって言う女の子の夢を叶えてあげただけよ」
「でも、どうしてあゆちゃんの夢を・・・・?」
「・・・・・・・・」

刻美ちゃんは黙ったまま空中に手をかざす。
すると、そこにスクリーンのようなものが現れた。
そのスクリーンに、水族館のような場所に居るあゆと刻美ちゃんの姿が映る。

「ある時・・・・私は夢の中で彼女に出会った・・・・」

刻美ちゃんが語りだす。
俺達は黙ってそのスクリーンを見つめた。



『ねぇ・・・・あなた、こんな所に一人でどうしたの? ここはあなたみたいな人が一人で来る所じゃないわよ』
『うぐぅ・・・・別に何でもないよ。ただ何となくいるだけ・・・・』
『そうは見えないんだけど・・・・あ、私刻美って言うの。あなたは?』
『ボクはあゆだよ、月宮あゆ』
『ふ~ん、あゆちゃんか。よろしくね』
『刻美さんは・・・・』
『あ、刻美で良いよ』
『あ、うん。刻美はどうしてここに居るの?』
『私? 私はね、時間と夢の管理が仕事なの。この水族館のような場所は、その管理場所なのよ』
『ふ~ん・・・・』
『あ、あゆちゃん何か夢とかある?』
『うぐぅ、夢・・・・?』
『そう。ここで会ったのも何かの縁だし・・・・あゆちゃんの夢なら良い夢が作れそうだから』
『夢かぁ・・・・ボクの夢はね、このまま祐一君や名雪さん、秋子さん達とず~っとどんな時でも一緒に楽しく暮らして行く事かな・・・・もう、寂しい思いはしたくないから・・・・』



そう言った所で、スクリーンが消える。

「私は・・・・こんなに純粋な夢を持つ人に出会ったのは初めてだった。だからあゆちゃんの願いを叶えてあげたの。彼女の望む夢を作り出し、時間軸を曲げて同じ日を繰り返すように・・・・」
「「「・・・・・・・・」」」

俺達は黙ったまま刻美ちゃんの言葉を聞いている。

あゆ・・・・。



・・・・・・・・・!!
何だ、急に周りの景色が・・・・?!

「・・・・だから、誰にもこの夢は邪魔はさせない」

しまった・・・・と思う間も無く、俺達は意識を失った。



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