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過去の遺作置き場
2024年04月20日 (Sat)
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2002年08月06日 (Tue)
バタン!


突然ノックもなしに、俺の部屋へあゆが雪崩れ込んでくる。
何だ、普段歩いている時に襲い掛かると避けられるから、部屋へ直接襲撃に来たのか?

「違うよっ。それにボクいつも襲い掛かってなんかないよ、抱きつこうしてるだけだもん!」
「同じ事だ」
「うぐぅ、祐一君の意地悪・・・・」

涙目で拗ねた顔をするあゆ。
う・・・・結構ツボだ。
ナイスだぞ、あゆ!!
って、そんなどうでも良い事は置いといて。

「で、いきなり奇襲をかけてきたからには何か用があるんだろ?」
「うぐぅ、奇襲じゃないってばぁ」
「ま、それは良いから。早く用を言え」
「うぐぅ・・・・あのね・・・・」

少し顔を赤らめて、モジモジしだすあゆ。

ぐ、ぐはっ。

思わずテンパってしまいそうになる。
何だ、何かあったのか?

「あ、あのね・・・・」
「お、おぅ!」
「祐一君、今日はボクの誕生日なんだよっ」
「何、いつの間に?!」

「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」

「うぐぅ、祐一君わざとらしいよ」
「冗談だ。て言うか、そんな事言うのに何故顔を赤らめて恥ずかしがる必要がある」

てっきり、あゆの恥ずかしき初体験告白記が聞けるのかと思ったのに。
・・・・自分で言ってて意味が分からんな。

「それは・・・・何となく、だよ」
「そうか、何となくなのか・・・・」

何となくと言う理由でいちいち俺のツボ刺激されたら、その内俺は悶えて萌え死してしまいそうだが。
まぁ、それは口に出して言わないでおく。
言ったら、何言われるか分からん。

「それでね祐一君、はい」

そう言って、俺の目の前に手を差し出すあゆ。

「・・・・この手は何だ?」
「うぐぅ、プレゼントだよっ。誕生日なんだからプレゼントっ」

つまり、何かよこせって事か?
居候2号の癖に生意気な。
・・・・って、俺も居候か。

ったくしょうがないな。



「よし、じゃあほれ」

ポイ。

「うぐぅ、何これ?」

あゆは、手の上に乗せられた物を見て俺に聞き返す。

「見て分からないか?割り箸だ」

しかも、片側1本だけだ。
ちなみにちゃんとリボンを巻いてそれらしくしてある。

「うぐぅ、こんなもの貰っても嬉しくないよっ!」
「何だ、せっかくリボンまでかけたのに」

俺は渋々割り箸を受け取る。

「もっと、ちゃんとしたのじゃないとやだよっ」
「我が侭なやつだな、まったく・・・・ちょっと待ってろ」

俺はゴソゴソと机の引き出しの中を漁る。
お、良いもんみっけ。

「よし、これをやろう」
「うぐぅ?・・・・これは?」
「うむ、たいやきの消しゴムだ!」

見た目は小さいが、匂いを嗅ぐとちゃんとたいやきの匂いがするしなかには餡子も詰まっている。
まさに本物に近しい消しゴムだ!
・・・・もちろん食べられないぞ。

「うぐぅ・・・・これはこれで嬉しいけど、もっとちゃんとしたのが欲しいよ」

嬉しいのか。
俺は冗談のつもりだったんだが


しかし、もっとちゃんとしたプレゼントったって・・・・。


俺は今度は箪笥の中を引っ掻き回してみる。
何か無いかな~。

お?
こ、これは!?

俺は箪笥の中から見つけた物を手に取る。
う~む、さぞかしあゆには似合う事だろう。

よしっ。

「あゆ、ちょっとの間目を瞑っててくれ」
「うぐぅ、良いけど変なことしない?」
「(したいけど)しないっ!良いから大人しく目を瞑れ」
「う、うん」

そう言って頷くと、あゆは目を瞑った。
よし、今のうちに・・・・。


俺は箪笥の中から見つけた物を畳むと、包装紙で包んで綺麗に包んでリボンをかける。
見事なプレゼントの出来上がりだ。


「よしあゆ、もう目を開けても良いぞ」
「うん」

目を開けたあゆの前に、包みを突き出す。

「ほら、誕生日プレゼントだ」
「え、あ・・・・ありがとう、祐一君!」

包みを受け取って、嬉しそうに笑うあゆ。
うむ、あゆの笑顔が見れて俺も満足だ。



「開けて見ても良い?」
「あぁ、良いぞ」

俺の返事が終わるや否や、嬉しそうに包みを開けるあゆ。
しかし、中身を見た途端あゆはビシッと言う音が聞こえそうなほど凍りついた




「祐一君・・・・これ、何?」
「何だ、あゆはスクール水着を知らないのか?」
「うぐぅ、それぐらい知ってるよ!どうしてこんなものが入ってるのって聞いてるんだよ、ボクは!!」
「決まっている!あゆがそれ来た姿を見て俺が激しく萌える為だ!!」

あゆは、自他共に認める幼児体系だ。
そんなあゆがこれを来たら・・・・。
おぉっ、素晴らしいっっ!!!

「と言う訳で、ありがたく受け取れあゆ」
「ゆ・・・・」
「ゆ?」
「祐一君のばかぁぁぁっっっ!!!!」
「おぐぅわっ!?」

あゆの渾身の体当たりをまともに鳩尾に受けてその場に倒れこむ俺。
あゆは、そのまま「うぐぅぅぅぅ~~~~!!!」と叫びながら走り去ってしまった。


「・・・・何故だ」








その後、駆けつけた名雪達に俺は再起不能になるまでボコボコにされた。
もちろん、あゆにあげたスクール水着も没収されてしまった。


・・・・・俺の浪漫が・・・・・。























オマケ♪

「まったく、相沢君たら・・・・しょうがないわね」
「でも、祐一らしいお~」
「うぐぅ・・・・スクール水着が嫌だって訳じゃないんだけど、誕生日プレゼントぐらいちゃんとしたものが欲しかったよ・・・・」
「それにしても、これ・・・・私達が知ってるものと少し違いますね」
「あははーっ、これは昔のタイプなんですよーっ」
「そうなのですか?」
「あうーっ、初めて見た・・・・」
「・・・・祐一、マニアック」
「ねぇねぇ、どうせなら今度皆でこれ着て相沢君の部屋に押しかけてみない?」
「ほ、本気ですかお姉ちゃん?」
「祐一さんがどんな反応するか楽しみですねー」
「そうと決まれば早速実行だお~」






その後、祐一の部屋は鼻血の海に包まれたとか何とか。
めでたくなし、めでたくなし。





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