過去の遺作置き場
「それじゃお父さん、行って来ます」
少女はそう言うと、目の前に居る父親らしき男に一礼した。
旅装束のような格好の少女の腰には、その可愛い外見には不似合いな一本の剣が下げられている。
少女はそう言うと、目の前に居る父親らしき男に一礼した。
旅装束のような格好の少女の腰には、その可愛い外見には不似合いな一本の剣が下げられている。
「どうしても行くのか?」
父親らしき男は、少女に向かってそう言葉を投げかける。
少女はどう見てもまだ、15,6歳と言う年齢だ。
そんな年の少女が一人で旅に出るのを、父親が心配するのは当たり前だろう。
「お父さん・・・心配する気持ちは分かるわ。でも私の気持ちは変わらない」
そう言う少女の目には、強い決意の色が伺える。
「絶対にお母さんを見つけだしてみせる。帝国の奴らに連れ去られたお母さんを・・・」
「そうか・・・分かった、もう止めはせん、好きにしろ。だが、必ず無事に戻ってくるんだぞ」
「うん、分かってる。それじゃお父さん、今度こそ本当に行くね」
そう言うと、少女は父親にもう一度一礼し、村の外へと歩き出した。
「気を付けてな・・・」
父親はそう一言だけ小さく言葉をかけると、少女が見えなくなるまでその背中を見守っていた。
しかし・・・少女が村を出た頃、ノーサイドより進軍してきた帝国兵の先発隊が、ちょうどその辺りをさしかかろうとしていた。
帝国兵に与えられた命はただ一つ。
『アルトリアの生き残りと思われる者を一人残らず殲滅する事』
帝国兵は、例えそれがアルトリアの生き残りでなくとも、怪しい者は一人残らず殺すだろう。
少女は自分の身に危険が迫っているとも知らずに、ただ一つの目的を胸に秘めたまま、帝国に向かって南へと歩いていた。
父親らしき男は、少女に向かってそう言葉を投げかける。
少女はどう見てもまだ、15,6歳と言う年齢だ。
そんな年の少女が一人で旅に出るのを、父親が心配するのは当たり前だろう。
「お父さん・・・心配する気持ちは分かるわ。でも私の気持ちは変わらない」
そう言う少女の目には、強い決意の色が伺える。
「絶対にお母さんを見つけだしてみせる。帝国の奴らに連れ去られたお母さんを・・・」
「そうか・・・分かった、もう止めはせん、好きにしろ。だが、必ず無事に戻ってくるんだぞ」
「うん、分かってる。それじゃお父さん、今度こそ本当に行くね」
そう言うと、少女は父親にもう一度一礼し、村の外へと歩き出した。
「気を付けてな・・・」
父親はそう一言だけ小さく言葉をかけると、少女が見えなくなるまでその背中を見守っていた。
しかし・・・少女が村を出た頃、ノーサイドより進軍してきた帝国兵の先発隊が、ちょうどその辺りをさしかかろうとしていた。
帝国兵に与えられた命はただ一つ。
『アルトリアの生き残りと思われる者を一人残らず殲滅する事』
帝国兵は、例えそれがアルトリアの生き残りでなくとも、怪しい者は一人残らず殺すだろう。
少女は自分の身に危険が迫っているとも知らずに、ただ一つの目的を胸に秘めたまま、帝国に向かって南へと歩いていた。
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