過去の遺作置き場
7月13日
今日は休日。
よく考えたら、記憶失ってから初めての休日なのよね。
せっかくだから買い物にでも行こうかな・・・・。
だって、持ってる服がTシャツとかGパンとかそんなのばっかりなんだもの。
可愛い服は数える程しか見当たらないし、制服以外のスカートが2,3着しかないって言うのもね・・・・。
それに下着だって、数が少ないうえにスポーツブラばっかり・・・・私、部活してないのに。
記憶を失う前の私がどんなだったかは知らないけれど、これはボーイッシュとかラフとか言うのを通り越してるわよ?
一体、どんな女の子だったのしかしら、私って・・・・。
まぁ、良いわ。
とりあえず、服は買ってくれば良いわけだし。
まずは軍資金の確認ね。
財布の中は確認するまでもなく寒いのは分かってるから・・・・え~と、通帳はと。
これね、どれどれ・・・・。
さぁぁぁぁ。
一瞬、血の引く音が冗談じゃなく聞こえた気がした。
・・・・な、何なのよ、このお金の無さは・・・・。
私はポトリと通帳を落とすと、思わず呆然としてしまった。
今日は休日。
よく考えたら、記憶失ってから初めての休日なのよね。
せっかくだから買い物にでも行こうかな・・・・。
だって、持ってる服がTシャツとかGパンとかそんなのばっかりなんだもの。
可愛い服は数える程しか見当たらないし、制服以外のスカートが2,3着しかないって言うのもね・・・・。
それに下着だって、数が少ないうえにスポーツブラばっかり・・・・私、部活してないのに。
記憶を失う前の私がどんなだったかは知らないけれど、これはボーイッシュとかラフとか言うのを通り越してるわよ?
一体、どんな女の子だったのしかしら、私って・・・・。
まぁ、良いわ。
とりあえず、服は買ってくれば良いわけだし。
まずは軍資金の確認ね。
財布の中は確認するまでもなく寒いのは分かってるから・・・・え~と、通帳はと。
これね、どれどれ・・・・。
さぁぁぁぁ。
一瞬、血の引く音が冗談じゃなく聞こえた気がした。
・・・・な、何なのよ、このお金の無さは・・・・。
私はポトリと通帳を落とすと、思わず呆然としてしまった。
・・・・今私は、何故か秋子さんと二人で商店街の奥まった所にある小さな洋品店へと来ている。
そこは、一介の女子高生なんて似つかわしくない高級感溢れるお店。
ふと、何気に掛かっている洋服の値段を覗き見たら、一瞬くらっと眩暈がした。
わ、私の常識より『0』が一桁違うわ・・・・。
そんな私は気にも留めず、秋子さんは旧知の仲らしいこの店の店長さんと談笑しながら、私に着せる服を選んでる。
何故こんな事になったかと言うと・・・・あまりにも自分の経済状況が寒すぎた(って言うか絶対零度近かった・・・・)為、秋子さんに相談したんだけど・・・・。
そしたら秋子さん、『それぐらい私が買ってあげますよ。さぁ行きましょう』ってな感じで強引に私の手を引いて行くんだもの。
あまりにも唐突だったから、遠慮する間も無くここまで連れて来られてしまったわ・・・・。
「あの~、秋子さん。やっぱり買ってもらうなんて悪いですよ。後でお金返しますから・・・・」
「良いんですよ、気にしなくて」
「で、でも・・・・」
「良いから、祐子さんは気にしないでください。私は嬉しいんですよ? 祐子さんが初めて我侭を言ってくれたんですから」
そう言って、秋子さんは微笑んだ。
初めて・・・・それじゃあ、記憶を失う前の私は秋子さんにこう言う事は一度も言わなかったんだ。
「ですから、今日は全て私に任せてくださいね?」
・・・・ちょっと悪い気もするけど。
秋子さんがそこまで言うなら甘えさせてもらおうかな。
秋子さん・・・・ありがとう。
「さぁ、それじゃあ祐子さんに似合いそうなのを選んで着ましたから・・・・試着してみましょうか?」
そう言って沢山の洋服を持ってきた秋子さんと店長さん(和泉さんて言うらしい)は、何故か嬉しそう。
「は、はい・・・・」
断る事も出来ずに、ただ頷く事しか出来ない私。
果たして、数時間に及ぶ『第一回 相沢祐子ファッションショー』が幕を開くのだった。
「ありがとうございました。祐子ちゃんまた来てね~」
そう言って手を振る和泉さんに軽く頭を下げながら、私と秋子さんはお店を後にした。
う~・・・・それにしても一杯買っちゃったなぁ。
結構割引してもらったけど・・・・それでも、高い服だと言う事には変わりない。
・・・・一体、全部でいくらぐらいになったのか・・・・考えたくもないわ。
「秋子さん・・・・本当に良いんですか?」
自分の両手一杯だけでは足らず、秋子さんにも持ってもらっている荷物の山を見ながら私は戸惑う。
だって、いくら嬉しかったから全部買ってあげるって言ったって・・・・この量は・・・・。
「祐子さんたら、そんなに何度も聞かないでください。私が良いって言ってるんですから」
「そうなんですけど・・・・」
「祐子さんは、今まで名雪たちの我侭を聞くばかりで自分では何も言って来なかったじゃないですか。これは、その今までの分だと思ってください」
「秋子さん・・・・本当にありがとうございます・・・・」
「うふふ、でもその代わり明日は私の買い物をしますから、荷物持ちお願いしますね」
「はい、それぐらい喜んで!」
そうして、私たちは腕を組んで歩きながら帰路についた。
秋子さん・・・・やさしくてまるで本当のお母さんのように接してくれる。
忘れちゃったけど、私のお母さんもこんな感じだったのかな。
もしそうなら、凄く嬉しい・・・・。
会って・・・・みたいな・・・・。
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