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過去の遺作置き場
2024年03月28日 (Thu)
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2002年07月28日 (Sun)
6月13日



『朝~、朝だよ~、朝起きて学校行くよ~』
「う・・・・ん・・・・」

いつもの名雪の声で目が覚める。
目覚ましだが。
俺は目覚ましを止めるとベッドから這い出した。

それにしても最近何故か異様に眠い。
いくら睡眠をとっても寝足りないのだ。
・・・・名雪のがうつったかな?
んな訳ないか。
馬鹿な事考えてないでとっとと着替えよう。

俺はもうすっかり着馴れたピンクのパジャマを脱ぎさる。
そう言えば、昔『パジャマ邪魔だ!』とか言う歌があったなぁ・・・・などと考えながら、箪笥からブラジャーを取り出し胸にあてがう(お前、歳いくつだ)

何か最近少し胸がきついような気がするのだが・・・・。
気のせいか?
まぁ良い。
名雪を起こしてとっとと学校行くぞ!









キ~ンコ~ンカ~ソコ~ン。


「祐子ちゃん、お昼休みだよっ」
「・・・・・・・」

「あれ?」
「いつもの反応が無いわね・・・・」
「お~い、祐子ちゃ~ん?」
「う・・・・」

名雪の声でうっすらと目を開ける。

「・・・・おはよう、名雪」
「おはようって・・・もうお昼だよ?」

むぅ・・・・いつの間に。
しかし・・・・。

「眠い・・・・」

そう言って再び机に突っ伏す俺。

「わ、また寝たら駄目だよ」
「私は眠いのよ・・・・」
「お昼になったんだから起きなきゃ駄目だよ~」

じゃあ、お昼じゃなければ良いのかと言おうかと思ったが止めた。
やれやれ・・・・しょうがない、起きるか。

「昨日、夜更かしでもしたの?」

聞いてきたのは・・・香里か。

「うぅん・・・名雪と同じぐらい早く寝たけど・・・」
「・・・それで眠いなんて異常ね」
「自分でもそう思う」

そう言いながら、俺と香里は深く頷く。

「・・・二人とも酷い事言ってる?」
「「全然そんな事ないわよ」」

ハモる二人の声。

「う~・・・・」

それでも納得いかないのか名雪は唸っていた。



「なぁ、相沢・・・・ちょっと良いか?」
「うん?あぁ、北川・・・・何?」

今まで黙って成り行きを見守っていた北川が声をかけてきた。

「実はちょっと気になった事があるんだが・・・・言って良いか?」
「・・・・言ってみて」
「うむ。実は前々からそうじゃないかな~と思ったりなんかしたりしてたんだが、もしかしたら勘違いかな~とも思ったりなんかして中々言う機会がなかったんだが」
「くどいわね・・・・だから何?」
「相沢・・・・・・・・もしかして、胸大きくなったか?」
「「「「「「「何ですって?!」」」」」」」

一瞬にしてクラスの女子達が俺の周りを取り囲んだ。

「うぅ・・・・俺の話はまだ終わってな・・・・ぐはっ」

・・・・北川は俺の周りに集まってきた女子達に吹き飛ばされ踏み潰された。
憐れな・・・・。
ま、それは置いといて・・・・。

「・・・・本当なの、相沢さん?」

香里が皆を代表して聞いてくる。
なんと言うか、その目は・・・・血走っていた。

「い、いや、正確なサイズは測ってないから分からないけど・・・・最近、少しブラがきつい・・・・」
「みんな、今すぐ男子を追い出して全ての窓に暗幕張って!それから、誰かメジャー持ってきて!!大至急よ!!!」

俺が全部言い切る前に香里が他の女子に指令を出した。
それと同時にあっという間に教室から男子が追い出され窓に暗幕が張られ、どこからともなくメジャーが持ってこられる。
この間わずか10秒。
・・・・何つー素早さだ。


「・・・・さ、準備は出来たわ。相沢さん脱いで?」
「こ、ここで?」
「男子は追い出したし暗幕も張ったから大丈夫よ。良いから早く脱ぎなさい」
「・・・・・・・・」

はっきり言って周りに味方は居ない。
四方八方敵だ。
まさしく四面楚歌だな。
しょうがない、おとなしく言う事聞くか・・・・。


俺はもう何度も着脱して着馴れた制服を脱ぎ去りブラを外すと、皆のまえにその胸を曝け出した。
ちょっと・・・・いや、かなり恥ずかしい・・・・。
何するか分からんが(いや多分、サイズ測るんだろうが)恥ずかしいから早くしてくれ。

「相変わらず、大きい割りに形の良い胸してるわね・・・・」

そう言いながら俺の胸を羨ましそうに見る香里。
いや、恥ずかしいんだから早くしてくれってば。

「それじゃ、ちょっと後ろ向いて」

香里の言われるがままに回れ右をする。

「それじゃちょっと腕上げてて。今、測るから」
「ん・・・・」

俺は腕を上げてそのポーズで静止する。

「え~と・・・・確か、前に下着買いに行った時に測った時は90cmだったはずよね・・・・」

そう言いながら、香里が俺の後ろからメジャーを胸に回す・・・・。
う、うぐっ、く、くすぐったい・・・・。

「・・・・・・・・」

無言で香里が俺から離れる。
香里の方を振り返ると、何故か香里はメジャーを手に持ったまま俯き、なにやらブツブツいっている。
はっきり言って暗い。つーか怖い。
何がどうなったんだ?

「香里、どうしたの?」

名雪が香里に話しかける。

「・・・・間違いなく育ってるわ。92㎝・・・」
「「「「「「「?!」」」」」」」

思わず絶句する女子達。
一部、灰になって崩れかけている。
あの~、そんなに大げさな事なのか?

「相沢さん・・・・」
「な、何?」
「悪い事は言わないわ・・・・大人しく、その胸を差し出しなさい」

ずるっ。
い、いきなり何をっ?!

「大きい物はしょうがいわ・・・・その辺は諦めるけど、せめてその大きさをあたし達にも堪能させるのよ!」
「そんな無茶苦茶な!」
「ふふふ・・・・逃げ場なんて何処にも無いわよ・・・・?」

そう言いながら、妖しい手つきで近寄ってくる女子陣。
む、無茶苦茶怖いんですけどっ。

「うふふふ・・・・覚悟は良い・・・・?」

よ、良くないっ。

「お、落ち着きなさい香里っ。名雪も!」
「祐子ちゃん、もう諦めるんだおー」
「そうだそうだ。往生際が悪いぞ」
「そんなに大きな胸、私達じゃ絶対に無理なんだから・・・・一掴みぐらいはしてみたいわよね~」

他の女子達もそんな事を言いながら近づいてくる。

ひ、ひぃっ。
だ、誰か助けてくれっ。

「ちょっと待って・・・・今、男子の声が聞こえなかった?」

そう言って皆を静止させる香里。
その言葉と同時に女子が全員後ろを振り返った。

そこには・・・・北川を初めとする男子の面々が・・・・。

「・・・・・・・・」
「お、どうしたんだ美坂。俺たちの事は良いから早く相沢の胸を堪能・・・・うごはっ?!」

北川が喋りきる前に、美坂のメリケンサックが顔面に炸裂する。
北川はそのまま崩れ落ちた。

いつの間にやら、女子全員が男子を囲んでいる。

「あ、あはははは~・・・・」
「あれだけ相沢さんの胸をしっかり見たなら、もう思い残す事はないわね・・・・?」
「夢を見たまま地獄に送ってあげる・・・・」
「その代わりロクな死に方は出来ないわよ・・・・?」

そう言いながら、包囲を狭める女子達。
最早、男子に逃げ場はない。

「・・・・処刑開始・・・・」

冷めた声で香里が呟く。
それと同時に教室に忍び込んだ男子は一人残らず粛清されたのであった。

ちなみに俺はその間、一度に大勢の男子に胸を見られてしまったショックで固まっていた。
・・・・はぅ。



ところで・・・・最近、他の男子まで北川に染まってきてるような気がするのだが・・・・。
う~む・・・・。



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