過去の遺作置き場
6月11日
「う~ん・・・・たまには髪型変えてみようかな・・・・」
俺は鏡の前で髪を梳かしながら呟いた。
別に、女のおしゃれに目覚めた訳じゃない。
ただ毎日同じ髪型なので、ちょっと飽きてきたのだ。
せっかくこんなに長い髪なんだし、何か・・・・。
う~ん・・・・。
「あ、そうだ」
俺は何かを思いつくと、名雪の部屋へと向かった・・・・。
「う~ん・・・・たまには髪型変えてみようかな・・・・」
俺は鏡の前で髪を梳かしながら呟いた。
別に、女のおしゃれに目覚めた訳じゃない。
ただ毎日同じ髪型なので、ちょっと飽きてきたのだ。
せっかくこんなに長い髪なんだし、何か・・・・。
う~ん・・・・。
「あ、そうだ」
俺は何かを思いつくと、名雪の部屋へと向かった・・・・。
学校への、何度通ったかも分からないつもの道。
俺と名雪はいつもと同じように、この道を全力で駆けている。
「あぁ・・・・余計な事してたら、すっかり遅くなったわ・・・・」
「今日は、私のせいじゃないよ~」
「・・・・わかってるわよ」
息一つ乱さず、俺たちはそんな会話をする。
もう毎日毎日こんな事やってればいい加減慣れた。
「それにしても、急にあんな事言い出すからどうしたのかと思ったよ」
「私だってたまには、そう言う事もあるわよ」
「ふ~ん・・・・でも結構似合ってるよ♪」
「・・・・ありがと」
俺はちょっと恥ずかしくなり俯いた。
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン。
ガラッ。
「う~、今日もギリギリ間に合ったよ~」
「はぁはぁ、流石にちょっと焦ったわ・・・」
俺たちは教室の戸を開けると、自分達の席に向かう。
「あら、二人ともおは・・よ・・・・う・・・」
香里が俺の方を見ながら、挨拶してきた・・・・と思ったら、急に言葉に詰まってる。
どうしたんだ?
「相沢さん、それ・・・・」
「「「「「「うお~っ!!!ポニーテールだぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」」」」」」
びくっ!
な、何?
突然、クラスの男子(北川含む)が雄叫びを上げたかと思うと、俺の周りに集まってきた。
「おぉ、ほんとにポニーだ!見間違いなんかじゃない、ポニーテールだ!我がクラスでは初だっ!!」
「相沢、よくやたったぁ!」
「これで思い残す事はないな、皆!」
「「「「「「「「「「「応っ!!」」」」」」」」」」
北川の声に、他の男子が一斉に返事をする。
ぬぅ・・・・髪結んだだけでこれか・・・・。
うちのクラスの男共は、一体どう言う思考しとるんだ?
「さて、もう思い残す事もないなら覚悟は良いわね・・・・?」
何故かメリケンサックをはめた香里を初めとする女子陣が男子を囲んでいた。
「ちょ、ちょっと待て美坂!俺たちは今日はまだ何もやってないぞ!!」
今日はまだって事は、これから先何かするのか?
「そうね・・・・でも、相沢さんが髪型変えたぐらいでいちいちそんなに騒がれてたら目障りなのよ」
「んな、無茶苦茶なぁっ?!」
確かに無茶な理屈である。
しかし、それを北川相手に言うと妙に納得出来てしまうが・・・・。
「そう言うわけだから・・・・『消えて』・・・・?」
「お、お助け~~!!!!」
・・・・さらばだ北川。
俺はお前の事は忘れない。
「ねぇ、相沢さん?」
「ん?何、香里?」
手にはめた血染めのメリケンサックをポケットにしまうと、香里は俺に話しかけてきた。
「何でまた、急に髪型変えたりしたの?」
「何でって言われても・・・・何となくなんだけど・・・・」
「・・・・そう」
それきり香里は何も言ってこなかった。
しかし、よく考えたら俺の気紛れのせいで北川は半殺しにされたとも言えるな。
・・・許せ、北川。
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