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過去の遺作置き場
2024年03月28日 (Thu)
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2002年08月12日 (Mon)
6月28日



「ただいまー」

俺は玄関のドアを開けると、開口一番にそう言った。

しーん・・・・。


しかし、その後にいつもは帰ってくる声がない。
おかしいな・・・・うん?
ふと足元を見ると、秋子さんとあゆのい靴がなくなっている。
買い物にでも出かけたのだろうか。
となると・・・・名雪は部活だし、真琴はまだ保育所から戻ってないから、今は誰も居ないって事か。
そう言えば、今日は玄関のドアにいつもはかかっていない鍵がかかっていたんだよな、それが理由か(その時点で気付けよ)

一人納得した俺は、着替えるべく二階の自分の部屋へと向かう。


Trrrrrr・・・・・。
Trrrrrr・・・・・。

おっと、電話だ。
今は誰も居ないんだし、俺が出ないと・・・・。

ガチャ。

「もしもし?水瀬ですが」
『あ、美坂ですけど相沢さんは・・・・』

あれ?この声・・・・。

「香里?」
『あ、相沢さん?ちょ、ちょうど良かった』

何故か俺だと気付いてどもる香里。
い、いや、理由は分かってるけどさ。

「わ、私に何か用なの?」

・・・・俺もどもってるし。
人の事言えないな。

『あ、うん・・・・相沢さん、日曜日は何か予定ある?』
「日曜日?・・・・ないけど」
『そ、そう。じゃあ、ちょっと私に付き合ってくれない?』
「え?」

香里とお出かけ?
まぁ、特に断る理由なんかないし・・・・それにいい加減このぎこちなさも解消しないといけないしな・・・・。

『だめ・・・・かしら?』
「うぅん、全然構わないわよ」

恐る恐ると言った感じで聞いてきた香里を安心させるために、はっきりと了承の旨を伝える。
すると香里は安堵の溜息を吐いて、

『良かった・・・・』

と呟いた。


「ところで、付き合うのは良いんだけど何するの?」
『え?え、え~と・・・・とりあえず買い物に付き合ってもらえる? それからはまたその時考えるわ』
「そう。分かったわ。じゃあ日曜日の朝10時に駅前集合で良い?」
『問題ないわ』
「じゃ、そう言う事で」
『えぇ、それじゃ相沢さん、また明日ね』

そう言って、香里は電話を切った。

香里・・・・最後の方はもう全然普通に喋ってたな。
慣れたのか、もしくは電話だからなのか・・・・まぁ、どっちでも良いか。



さて、日曜は香里とデートだな。

・・・・ん?

そうか、これって一応デートなんだな(女同士だが)
名雪達にはばれないように気をつけないとな・・・・。



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