過去の遺作置き場
8月7日
お昼。
何となく商店街を歩いていると、北川君と南にばったりと出会った。
正確には南に憑依したあやめさんなんだけど・・・。
お昼。
何となく商店街を歩いていると、北川君と南にばったりと出会った。
正確には南に憑依したあやめさんなんだけど・・・。
「北川君は、いつも通りあやめさんとデート?」
「まぁな・・・最近は、ほぼ毎日だよ」
「そうなんだ。じゃあ、南も大変ね~」
「?・・・どうして、そこで南さんが出てくるのですか?」
「あ~・・・あやめさんは気にしなくて良いから・・・」
不思議そうに首を傾げるあやめさんに、そう言う北川君。
あやめさん、まだ幽霊の自覚ないのね・・・。
まぁ、自覚してたらとっくに成仏してるか。
あれ? でも・・・。
「北川君、ちょっと・・・」
「お、おい、何だよ相沢・・・」
あやめさんに『ちょっとごめんね』と良いながら、北川君の手を引いて少し離れた場所に移動する。
私は向こうに聞こえないように小声になりながら、
「北川君・・・あやめさん、前に肝試しの時に盛大に霊力使ってたわよね?」
「あ、あぁ・・・そうだな」
北川君は、思い出すように頭をめぐらす。
「それなのに、まだ幽霊の自覚ないの?」
「自分に不思議な力があるって事は理解してるんだけどな・・・自分が幽霊だから霊力が使えるとは理解してないみたいなんだ・・・」
あやめさん・・・もしかして、鈍感?
と言うか、天然ボケって言うのかしら・・・あやめさんってどこかそんな雰囲気あるものね・・・。
それにしても・・・こんなんで、ホントに成仏させられるのかしら?
「あの・・・お二人とも、どうかなさったんですか?」
「え? あ、うぅん、何でもないのよ、あやめさん。ねぇ、北川君?」
「あ、あぁ、そうだな相沢」
慌てながら、二人で頷きあう私達。
あやめさんはそれで納得したのか、それ以上は何も聞いて来なかった。
「そ、それより北川君・・・あなた、また顔色悪くなってない?」
「え、そうか?」
北川君が、近くのショーケースのガラスに自分の顔を映しながら呟く。
事実、北川君はかなり青い顔をしていた。
それに、どことなく元気が無いようにも見えるんだけど・・・。
自覚ないの?
「まだ疲れが取れてないんじゃない? もっと身体休ませた方が良いわよ」
「う~ん・・・」
「潤様、身体のお加減でも悪いのですか?」
「自分では、それほど悪いとは思わないんだけどな・・・確かに疲れやすくはなってるけど」
「充分よ、少しは休みなさい。あやめさんも、あんまり北川君が無理し過ぎないように見張っててね」
「はい。私(わたくし) にお任せください」
そう言って、あやめさんは微笑んだ。
「それじゃ、私はそろそろ帰るけど・・・二人はどうするの?」
「そうだなぁ・・・あやめさんはどうしたい?」
「私(わたくし) は潤様にお任せしますわ」
「そうか・・・じゃあ、俺たちはもう少しその辺歩いてから帰るよ」
「そ。じゃね」
「おう、じゃあな相沢」
「ご機嫌よう、祐子さん」
二人に手を振りながら、私はその場を後にした。
「まぁな・・・最近は、ほぼ毎日だよ」
「そうなんだ。じゃあ、南も大変ね~」
「?・・・どうして、そこで南さんが出てくるのですか?」
「あ~・・・あやめさんは気にしなくて良いから・・・」
不思議そうに首を傾げるあやめさんに、そう言う北川君。
あやめさん、まだ幽霊の自覚ないのね・・・。
まぁ、自覚してたらとっくに成仏してるか。
あれ? でも・・・。
「北川君、ちょっと・・・」
「お、おい、何だよ相沢・・・」
あやめさんに『ちょっとごめんね』と良いながら、北川君の手を引いて少し離れた場所に移動する。
私は向こうに聞こえないように小声になりながら、
「北川君・・・あやめさん、前に肝試しの時に盛大に霊力使ってたわよね?」
「あ、あぁ・・・そうだな」
北川君は、思い出すように頭をめぐらす。
「それなのに、まだ幽霊の自覚ないの?」
「自分に不思議な力があるって事は理解してるんだけどな・・・自分が幽霊だから霊力が使えるとは理解してないみたいなんだ・・・」
あやめさん・・・もしかして、鈍感?
と言うか、天然ボケって言うのかしら・・・あやめさんってどこかそんな雰囲気あるものね・・・。
それにしても・・・こんなんで、ホントに成仏させられるのかしら?
「あの・・・お二人とも、どうかなさったんですか?」
「え? あ、うぅん、何でもないのよ、あやめさん。ねぇ、北川君?」
「あ、あぁ、そうだな相沢」
慌てながら、二人で頷きあう私達。
あやめさんはそれで納得したのか、それ以上は何も聞いて来なかった。
「そ、それより北川君・・・あなた、また顔色悪くなってない?」
「え、そうか?」
北川君が、近くのショーケースのガラスに自分の顔を映しながら呟く。
事実、北川君はかなり青い顔をしていた。
それに、どことなく元気が無いようにも見えるんだけど・・・。
自覚ないの?
「まだ疲れが取れてないんじゃない? もっと身体休ませた方が良いわよ」
「う~ん・・・」
「潤様、身体のお加減でも悪いのですか?」
「自分では、それほど悪いとは思わないんだけどな・・・確かに疲れやすくはなってるけど」
「充分よ、少しは休みなさい。あやめさんも、あんまり北川君が無理し過ぎないように見張っててね」
「はい。私(わたくし) にお任せください」
そう言って、あやめさんは微笑んだ。
「それじゃ、私はそろそろ帰るけど・・・二人はどうするの?」
「そうだなぁ・・・あやめさんはどうしたい?」
「私(わたくし) は潤様にお任せしますわ」
「そうか・・・じゃあ、俺たちはもう少しその辺歩いてから帰るよ」
「そ。じゃね」
「おう、じゃあな相沢」
「ご機嫌よう、祐子さん」
二人に手を振りながら、私はその場を後にした。
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