過去の遺作置き場
7月16日
「う~、すっかり遅れちゃった・・・・」
私は、更衣室へ向かって走っていた。
次の授業、体育なのに・・・・。
休み時間にトイレに行ってたら、すっかり遅くなっちゃったわ。
「う~、すっかり遅れちゃった・・・・」
私は、更衣室へ向かって走っていた。
次の授業、体育なのに・・・・。
休み時間にトイレに行ってたら、すっかり遅くなっちゃったわ。
はぁ・・・・ようやく更衣室・・・・。
あら?
誰か更衣室の前に居る・・・・男子みたいだけど・・・・。
ドアの前でうろうろして挙動不審っぽい。
「ふっふっふ・・・・待ってろよ、相沢・・・・」
・・・・私?
一体、何を・・・・。
「ねぇ」
「何だ、今良い所なんだから邪魔しないでくれ・・・・って、あ、相沢?! お前何で外に・・・・!」
私の声に反応して振り向いた男子は・・・・北川君だった。
「北川君?・・・・女子更衣室の前で、何・・・・してるの?」
「ぎく・・・・い、いや、ちょっと探し物を・・・・」
「更衣室の前で?・・・・それに、さっき私の名前口にしてなかった・・・・?」
「ぎっくぅ・・・・! い、いや、だからな? え~とえ~と・・・・」
私の言葉に、さっき以上にあたふたし始める北川君。
まさか・・・・とは思うんだけど・・・・。
「北川君・・・・まさか、更衣室覗こうとしてたんじゃ・・・・」
「またまたぎっくうっ!! そ、そんな事あるわけないじゃないかぁ! あははは!!」
そう言って笑う北川君は、どこか不自然・・・・。
本当に覗きなんかしてたの・・・・?
じと~~~っ・・・・。
「う・・・・・」
私の疑惑に満ちた目を向けられて、言葉を詰まらせる北川君。
そう・・・・やっぱり、そうなんだ・・・・。
「北川君って・・・・そう言う・・・・」
「・・・・だぁっ、もう限界だ!!」
「え?!」
いきなり叫んだかと思うと、北川君はゆらりと私の前に立ちはだかる。
「相沢・・・・」
「え? え??」
な、何? どうしちゃったの北川君?
「ばれてしまったのなら仕方がない・・・・しかし、せっかく相沢本人が居る事だし・・・・」
わ、私が何?
「ふっふっふ・・・・あ~い~ざ~わ~~~~~~~!!!!!」
今まで私の前でのあの純な北川君の面影は微塵もなく。
いきなり、野獣と化した北川君が私に向かって飛び掛ってきた!
「い・・・いぃぃやぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!!!」
だ、誰か助けてっ!!
私は思わず悲鳴を上げて目を瞑った。
・・・・・???
あれ・・・・?
いつまで経っても北川君に押し倒されるような感覚は感じない。
わたしはそ~っと目を開けてみた。
「か、香里?!」
「大丈夫だった? 祐子」
そこに居たのはメリケンサックを手にはめた香里。
北川君、その横に真っ赤な鮮血を流して倒れていた。
「まったく・・・・最近大人しくなってきてたと思ったのに、北川君も油断も隙もないわね」
それじゃあ、香里が私を助けて・・・・?
「もう、祐子も気をつけなくちゃ駄目よ・・・・祐子?」
「うぅ・・・・かおりぃ・・・・怖かったよぉ!」
私はそう言って香里に抱きつくと、周りの目なんか気にせず泣きじゃくった。
「よしよし、もう大丈夫だからね祐子」
うぅ・・・・香里、優しい・・・・。
こうやって香里の胸に顔を埋めてると、いい匂いがして暖かくて・・・・凄く安心する。
・・・・もうこの際、こっちの趣味でも構わない。
こんな獣みたいな男子となんて絶対付き合えないもの。
今は・・・・香里さえ居てくれたら良い。
これからも宜しくね、香里!!
PR
この記事にコメントする