過去の遺作置き場
「・・・・・駄目だわ、繋がらない」
そう言って香里は受話器を置いた。
横では不安そうな顔をした栞が香里の方を見つめている。
これで最後か・・・・結局、誰一人として繋がらなかったな。
「どうなってるんでしょうか・・・・私や栞さんの所はともかく、200回線以上もある佐祐理先輩の所も誰も出てこないなんて・・・・」
そう言って、天野は俯いた。
確かにな・・・・いくらなんでもおかしすぎる。
これじゃあまるで・・・・。
「まるで、この世界にあたし達しか居ないみたいね・・・・」
香里が俺の心の言葉を代弁するかのようにそう呟いた・・・・。
そう言って香里は受話器を置いた。
横では不安そうな顔をした栞が香里の方を見つめている。
これで最後か・・・・結局、誰一人として繋がらなかったな。
「どうなってるんでしょうか・・・・私や栞さんの所はともかく、200回線以上もある佐祐理先輩の所も誰も出てこないなんて・・・・」
そう言って、天野は俯いた。
確かにな・・・・いくらなんでもおかしすぎる。
これじゃあまるで・・・・。
「まるで、この世界にあたし達しか居ないみたいね・・・・」
香里が俺の心の言葉を代弁するかのようにそう呟いた・・・・。
「香里さん」
「え?あ、秋子さん・・・・何ですか?」
「えぇ、ちょっと・・・・」
ここでは話しづらい事なのか、秋子さんは台所の方へ目配せをした。
香里はそれを察したのか秋子さんと台所の方へ向かっていく。
「え?!石橋が・・・・!?」
台所の方からそんな声が聞こえる。
何を話してるんだろ・・・・う~ん、気になるな・・・・俺も・・・・。
「ねぇ、祐子ちゃん」
「え?あ、あぁ・・・・名雪。何?」
二人の会話が気になって自分も台所へ行こうと思ったが、名雪に呼び止められてしまった。
何なんだ?
「うん・・・・その、懐中時計・・・・どうしたのかなと思って・・・・」
「懐中時計?・・・・あぁ、これ?」
そう言って俺は懐から金色に光る懐中時計を取り出す。
「最近、よくそれを眺めてるのを見かけるから・・・・」
「うん、これを見てると何だか不思議な気持ちになるの。何て言うか・・・・安らぐって言うか・・・・」
「ふ~ん・・・・」
そう言うと、名雪は俺の持っている懐中時計をまじまじと見つめる。
「本当・・・・何か不思議な感じがするね」
「うん。だからって訳じゃないけど、こうやっていつも持ってるの」
それだけ言って、俺は再び時計を懐にしまった。
「ところで名雪。まだ寝なくて良いの?明日も早いわよ」
「あ、うん。もう寝るよ。祐子ちゃんは?」
「私?私は・・・・もう少ししたら寝るわ。少し考えたい事があるから・・・・」
「ふ~ん。それじゃ、私は部屋に戻るね。お休み、祐子ちゃん」
「あ、うん。お休み、名雪」
そう言って俺たちはお互いの部屋に戻って行った。
それにしてもさっきの秋子さんと香里の会話・・・・気になる・・・・。
一体、何が起きてるんだろう・・・・?
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